こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
読書会の開催や発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。
今回紹介する本は、ベルンハルト・シュリンク(松永美穂 訳)『朗読者』(新潮文庫)です。
いわた書店の一万円選書のご縁で手にしました。
翻訳作品はついつい後回しにしてしまうのでこの機会に読むことができてよかったです。
ドイツ人作家さんによるお話です。
少年がある日出会って助けてくれたのは母親と同じくらいの年齢の女性でした。
お礼をするためにアパートに向かうようになってから何度も会うようになりました。
彼女は少年に朗読を求めていました。
何度も重ねて会っていましたが、ある日突然彼女は姿を消してしまいます。
その後ある場所で再会をして、また話が進んでいきます。
どこまで理解ができているかは正直むずかしいところがあります。
ですが、思ったことを書いていきます。
まずは、年齢を理由にしないということです。
2人は親子に近いくらい年齢が離れていました。
それでも惹かれあい、交流を続けていきました。
単なる友人関係であっても対等に話せるのは大切なことです。
本を通した関係というのは対等性を作りやすい環境なのでこれからも大切にしたいです。
ふたつめは、もし大切な人が犯罪に手を染めていたらということです。
今の世の中であればそれが冤罪の可能性もありますし、戦争下である意味避けられない状況というのもあるかと思います。
それでも相手を信じ、想いやることができるかはなってみないとわからないのかなと思いました。
最後は、文学を味わえるということです。
わたしは日本語とある程度の英語なら読むことができますし、書くこともできています。
当たり前のことのようでありながら、これは教育によるものです。
日本は識字率の高い国です。
それが当たり前のように思いがちですが、読めること書けることは恵まれていることなのだと感じます。
なぜ、彼女が朗読を求めていたかはここに関わるところなのでぜひ手にとっていただけたらと思います。