原田マハ『生きるぼくら』(徳間文庫)

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読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。

「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の主宰をしています。

今回は、本の紹介です。

紹介する本は、原田マハさんの『生きるぼくら』(徳間文庫)です。

 

いわた書店の一万円選書のご縁で読みました。

一度読んだことはあったのですが、読むとおにぎりを食べたくなるくらいしか記憶が残っていませんでしたので再読をすることができてよかったです。

 

麻生人生という24歳の青年が物語の主人公です。

高校時代の陰湿ないじめから不登校になり、退学をし、何度か日雇いで働きましたがうまくいかず4年間ひきこもりの状態でした。

ある時、部屋の異変を感じて見るとそこには母親からの置き手紙、当面の生活費の5万円と年賀状の束でした。

手紙は「あなたはあなたの人生を、これからも好きなように生きていってください」とありました。

母親がいなくなり考え込みますが、そこで年賀状を見ると、離婚した父方の祖母であるマーサばあちゃんの年賀状がありました。

余命が少ないことが書いてあり、人生はマーサばあちゃんに会いたいと思い、一念発起して長野県の蓼科(たてしな)へと向かいます。

そこで出会ったのは、痴呆症を患ったマーサばあちゃんと血の繋がらない孫のつぼみでした。

三人の生活が始まりますが、人生とつぼみはマーサばあちゃんの昔ながらの米作りに興味を持ち、周りの方の協力を得ながら進めていきます。

 

蓼科での生活において人生は施設の清掃をします。

そこでお世話になっている施設長で兼業農家の田端さんが結構いいことを言ってくれています。

マーサばあちゃんの伝統的な米作りは手間がかかるし、加える力も最小限に留めています。

植物や生き物たちが、もちろん人間も加わって作っています。

それが田端さんの発言である「生きるぼくら」につながってきます。

 

人は誰でもひとりで生きていくことはできません。

時には誰かの力を借りることもあるし、自然の恵みがなければ生きていくこともできません。

逆にそうして生きていることが結果として誰かの励みになったり、助け合うことにつながることもあるのだと感じました。

米作りをする青年を通して生きる素晴らしさを感じることのできた一冊でした。

 

大きな梅干しのおにぎりが食べたくなりました。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

それでは、また明日もお待ちしております。

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