吉田修一『横道世之介』(文春文庫)

こんにちは、井田祥吾(@shogogo0301)です。

読書セラピストとして本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。

「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の主宰や人間学を学ぶ月刊誌である『致知』の読書会である北海道致知若獅子の会の世話人をしています。

 

今回紹介する本は、吉田修一『横道世之介』(文春文庫)です。

以前、動画のサブスクリプションサービスを利用していたときに映画を観ました。

青春小説で観た後の感じがとても良かったのを記憶していたので原作を読んでみることにしました。

 

長崎の田舎から大学進学のために上京したのがタイトルにもなっている横道世之介という青年です。

抜けているというわけではないのですが、何だかふわっとした感じがあるとても素直な青年です。

大学に通い始めた4月から翌年の3月までが物語のメインで描かれています。

すごい事件が起こるわけでもなく、名言らしいものが飛び出すわけでもありませんが、それでスラスラと先が気になって読み進めました。

 

サンバサークルに入ることになったり、ホテルマンのバイトをしたりと色々な出来事や出会いを通して世之介は成長していきます。

個人的なお気に入りが自動車教習所で出会ったお嬢様の与謝野祥子との関係です。

普通は不釣り合いになりそうなところでも関係がうまくいくのは世之介の人当たりの良さなのかもしれません。

 

途中途中でそれから数十年が経ち、ほかの登場人物が世之介との思い出が出てくる場面があります。

そこで「おやっ」と思えることが書かれており、物語はどういう結末を迎えるのだろうかと気になるところがありました。

悲観をするわけではなく、希望とはまた違った、微笑ましい気持ちで最後の頁を閉じることができました。

 

青春小説の金字塔の言葉に間違いなしです。

ちなみに映画で恋人役の祥子を演じたのは吉高由里子さんでした。

吉高さんの声色で「世之介さーん」がリフレインしていました。

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