立川談四楼『ファイティング寿限無』(祥伝社文庫)

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こんにちは、井田祥吾(@shogogo0301)です。

読書セラピストとして本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。

また、「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の主宰や北海道致知若獅子の会の世話人もしています。

 

今回紹介する本は、立川談四楼さんの『ファイティング寿限無』(祥伝社文庫)です。

いわた書店の一万円選書のご縁で出合いました。

いわた書店は北海道の砂川にある町の本屋さんです。

そこで行われている一万円選書というサービスが有名です。

年一回募集をして毎月抽選があります。

当選するとカルテと呼ばれるアンケートが送られそれをもとに店主である岩田さんが一万円ほどの本を選んでくれます。

そこで選ばれた本でしたが面白かったとともに考えさせられました。

 

ボクシンググローブをした袴姿の男性の表紙が印象的です。

主人公の19歳の青年は落語家さんで橘家小龍という名です。

師匠からは

落語以外の特技を身につけろ。落語以外で売れる方法を考えろ(p10)

と言われています。

そこで喧嘩を理由に思いついたのがボクシングでした。

走り込みや練習を重ねていくうちにプロテストに合格をします。

そこで与えられたリングネームが題名にもなっている「ファイティング寿限無」でした。

そうして青年は落語家とボクサーの二足のわらじを履いていくことになります。

 

ボクサーとしての快進撃は続いていきますが、自分の理想とする姿や落語との距離感に違和感を覚えることもあります。

マスコミからの扱い方もなかなか厄介なところがありました。

 

それでも世界タイトル戦まで進み試合前に子供達へ向けたメッセージが印象的でした。

何か好きなこと得意なことを一つ見つけて、それを一生懸命やってみてよ。きっときっといいことがあるからさ。

師匠からは本業の落語以外で売れろと言われていた青年が呼びかけたのはひとつでいいから「それを一生懸命やってみてよ」でした。

これは決して必要のない遠回りではなく大切な道だったとわたしは思っています。

逆にいれば、本当に好きなことがわからないのならばいくつも試してみてもいいのだと思います。

 

何より著者の立川談四楼さんが落語家でありながら積極的に執筆活動をされています。

ファイティング寿限無の最後の決断が正しかったのかわたしにはわかりません。

それでも本人が決めればきっと後悔はないでしょうし、何より自分の進む道は自分で切り開いてく大切さを感じ取りました。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

それでは、また!

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