小川糸『ツバキ文具店』(幻冬舎文庫)

こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。

「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の運営をしています。

また、ブログ、SNSやポッドキャスト等の発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。

 

今回紹介する本は、小川糸さんの『ツバキ文具店』(幻冬舎文庫)です。

小川糸さんの作品を読むのは初めてでした。

 

作品の舞台は鎌倉です。

文具店を営む雨宮鳩子さんが主人公です。

その名前からポッポさんというニックネームがついています。

先代から引き継いだ代書屋も行なっています。

代書屋は江戸時代からある仕事で誰かの代わりに手紙を書く仕事です。

手紙の内容は多岐に渡ります。

お悔やみの手紙から、融資のお願いの断りもありますし、絶縁状なんてものもあります。

依頼者の話を聞きながら文具を選び、書いていきます。

 

鳩子さんには母親がおらず、祖母が育ててくれました。

ただ厳しい祖母であり、関係性はとても良いものとは言えませんでした。

厳しい指導に反発することもありました。

祖母が亡くなったことを機に文具店と仕事を引き継ぐことになりました。

その生活の中で祖母との関係性に改めて気づくことがありました。

過去の辛い思い出を無理やり美化する必要はありませんが、相手が何を言いたかったのかという本心に触れることは大切だと思います。

 

私は複写ハガキの控えを使って手紙を書くのが好きです。

手紙の良いところは送るその瞬間まで内容や言い回しを考えることができることです。

そして届くのに時間がかかることです。

なのでできれば読んだ瞬間だけでなく、いずれ触れたときにもその時の気持ちが思い出せたら良いなと思って書いています。

最近はなかなか書けていなかったので、書きたいと思った瞬間を大切に筆を取ろうと思います。

 

他の本には見られない特徴として作中の手紙が実際に掲載されています。

手書きで書かれたものが載っていますので、作品の雰囲気をより味わうことができます。

また、文庫本では左下にパラパラ漫画がついています。

昔、教科書にいたずら書きしたのを懐かしく思いました。

 

また、作品の舞台が鎌倉というところもお気に入りポイントです。

大学が鎌倉から近くだったので何回か訪れました。

作中で七福神巡りをするシーンがありました。

私もやりました。

七福神巡りをして体調を崩したと思っていましたが、この方向性ではないと神様仏様が教えてくれたのかなと今では思っています。

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