『致知』の感想文です。
今回の特集テーマは「丹田常充実」であった。
“丹田とは臍の下三寸あたりの下腹部を指す。
「ここに力を入れると健康と勇気を得るといわれる」”と紹介されていた。
特集テーマとしては、とても具体的な行動だと感じた。
実際に臓器として丹田という場所があるわけではない。
ただこの部分に気を集中させることで良い結果が得られることは確かなのであろう。
私はスポーツクラブで働くなかで色々なアドバイスをしている。
そのときに直接、「丹田」という言葉を使わなくてもこれに絡めて説明することが多い。
もっと有効に活用していこうと思った。
今回はこのテーマである丹田に絡めて特集やインタビューで触れられている方が多い印象を受けた。
総リードで森信三先生もおっしゃるように、丹田に集中すると腰骨が立ち姿勢がすっと整う感覚はある。
しかし、ついつい気を抜いてしまうと背中が丸くなってしまう。
それでは腰や肩に負担がかかり、また、意識も集中できていないので小さなミスを起こしてしまうだろう。
今号を読んでから自然と丹田に集中した姿勢を正すことが多くなったと思う。
次の目標はこれを常に充実させることである。
「常に」ということは裏を返せば、意識をしていなくてもできるということである。
そのためには、まず意識化において常に意識をし続ける状態をつくらなければならない。
それができればだんだんと意識を外れてもできるようになっていくだろう。
今回の記事のなかで特に印象に残ったのは、冒頭の更家氏と出雲氏の対談である。
更家氏が『大学』の一部を取り上げていた。
それが「苟に日に新たに、日日に新たに、又日に新たなり」の部分である。
私は『大学』と『論語』の素読を毎日続けている。
この部分は『大学』の中でも特に好きな部分である。
湯の王が顔を洗う際に使うタライに掘っていた文字とされている。
現状に満足することなく、常に上を目指していくことが大切であると説いている。
生きていれば思うようにいかない日もあるし、常に前進、常に成長とはいかないこともあるだろう。
しかし、そうであっても目標に向かう姿勢はいつも同じであることはできる。
また、そういう人に運が巡ってくるのだと思う。
どんな状況にも負けずに腐らずに真面目に、とは言いつつも周りと比べることなく自分のペースでこれからも理想を追い求めていきたい。
そのための「丹田常充実」なのだと思う。