本気は報われる

こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。

「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の運営をしています。

また、ブログ、SNSやポッドキャスト等の発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。

 

今回紹介する本は、いしいしんじ『トリツカレ男』(新潮文庫)です。

いわた書店の一万円選書のラストになります。

小説です。

 

冒頭を紹介します。

ジュゼッペはみんなから「トリツカレ男」ってあだなで呼ばれている。

いしいしんじ『トリツカレ男』(新潮文庫)(p9)

という書き出しから始まります。

ジュゼッペという青年は何かにとりつかれるようにのめり込むと、他のことには目を向けないほどの集中力とパフォーマンスを発揮します。

 

ただ、その興味の移り変わりはどこでスイッチが入ったり、切れたりするかは本人も分からないところです。

 

本人もその性格を理解しており、気にするところもあります。

 

ハツカネズミの世話をしているときにこんなことを言われます。

本気でとりつかれることは、みんなが考えてるほど、ばかげたことではないとし、こう続けます。

「そりゃ、もちろん、だいたいが時間のむだ、物笑いのたね、役立たずのごみでおわっちまうだろうけれど、でも、君が本気をつづけるなら、いずれなにかちょっとしたことで、むくわれることはあるんだと思う」

いしいしんじ『トリツカレ男』(新潮文庫)(p29)

この言葉は何かに真剣に取り組んでいる人の心に響くのではないかと思います。

成果が約束されているから頑張るのではなく、本気で続けているからこそ報われることがあるのだと思います。

この順番を間違ってはいけないなと思います。

 

そんなトリツカレ男のジュゼッペがある日恋をしたのは風船売りの少女ペチカでした。

アプローチの方法と熱量はなんだか素敵だなと思いました。

裏表紙のあらすじには「まぶしくピュアなラブストーリー」とありました。

想いを形にするって簡単そうでむずかしく、大切だなと思いました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

運営している札幌ゼロ読書会は札幌市内とオンラインで開催しています。

また、選書サービスや読書に関する相談も承っています。

詳細はリンクをご覧ください。

より多くの本好きの方と繋がれるのを楽しみにしています。

また次回もお楽しみに!

読書会情報

読書会の情報は お知らせ をご覧ください。

募集の案内はLINEでも行っています。

月初に読書会情報を配信しています。

申し込みはLINEからお待ちしています。



LINEの友だち検索「@pgc8174h」でも出てきます。

LINE オープンチャットへのご参加はこちらからどうぞ!

Facebookオンラインコミュニティはこちらから

音声でも本の紹介をしています

書いている人


第112回 読書会「本の話をしよう」@zoom 開催レポート

第113回 読書会「本の話をしよう」@円錐書店 開催レポート

関連記事

  1. 光文社文庫編集部・編『Jミステリー2022 SP…

    今回紹介する本は、光文社文庫編集部・編『Jミステリー2022 SPRING』…

  2. 謎を解く鍵がちゃんと用意されているとうれしい

    今回紹介する本は、『Jミステリー2023 FALL』(光文社文庫)です。…

  3. 凪良ゆう『流浪の月』を読んで考える「事実と真実」…

    「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会を主宰しています、読書セラピ…

  4. 東野圭吾『クスノキの女神』(実業之日本社)

    こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。「…

  5. 科学×人間ドラマの温かな融合〜伊与原新『藍を継ぐ…

    今回ご紹介する本は、伊与原新さんの『藍を継ぐ海』(新潮社)です。天狼院書…

  6. 川村元気『仕事。』、「仕事。」楽しんでいますか?…

    「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌で読書会を開催しています、本のチカラで…

  7. 小川糸『キラキラ共和国』(幻冬舎文庫)

    こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。「…

  8. サン=テグジュペリ 河野万里子 訳『星の王子さま…

    こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。読…

PAGE TOP