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こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
読書会の開催や発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。
今回紹介する本は、吉本隆明『読書の方法 なにを、どう読むか』(光文社文庫)です。
2022年12月に東京観光をし、神保町へ行きました。
その際に、三省堂書店 神保町本店を訪れ、そこで購入をしました。
神保町にゆかりのある本として紹介されていました。
吉本さんがご存命のときは残念ながら知りませんでした。
よしもとばななさんのエッセイの中で触れられており、どんな方なのだろうと感じていました。
北海道立文学館で開催されていた展示に足を運び、偉大なる思想家であったことを感じ取りました。
そのときに再現された部屋がありましたがとてつもない蔵書量に圧倒されて、やはり思想というのは多くの本によって形成されるところがあることがわかりました。
文章を読むときにはその字を眺めていけばいいかといえばそのようなことはなく、その筆者の思想背景まで目を向けて想像してみるのが大切だと感じました。
吉本さんを支える思想には正直理解が及ばないところがありました。
他の著作を読んだり、再読をしたりすることでまたチャレンジをします。
四方を本に囲まれた書斎をもつ思想家である吉本さんが本を読むことを手放しでおすすめしているかと言えばそのようなことはありませんでした。
そうだよなぁと思いつつ、本こそ全てだと言われても疑問は感じないような気がします。
だからこそ、触れておきたい考えなのかもしれません。
本こそ全てではないというので印象的だったのが、「読むことの愉しみ」(p25)で触れられています。
もしただいま大恋愛の最中だったら、本など読むことをおすすめしない。
とくに恋愛小説など、間違っても読んじゃいけない。
吉本隆明『読書の方法 なにを、どう読むか』(光文社文庫)(p25)
から始まります。なぜでしょうか?
こう続きます。
あなたが現に夢中でうちこんでいる恋愛の生なましい体験に比べたら、色あせてしまうにちがいないからだ。
吉本隆明『読書の方法 なにを、どう読むか』(光文社文庫)(p25)
とあります。
本を読むことは現実世界の代替になることは確かにあります。
つらい経験をしても本の世界に飛び込めば救われることもきっとあるでしょう。
逆に現実世界が充実しているならばわざわざ本の世界に逃避する必要はないのではないかということですね。
本を読むことは現実世界の逃避であって、現実世界が充実しているのであればそれをめいいっぱい楽しむべきだという考えには納得です。
本で学んでから実践する姿勢も大切ですが、今この目の前で起こっていることに集中して手を動かすことも大切です。
ただ、読む必要がないと言われてもやっぱり本は読みたいなと思ってしまいます。
読むジャンルはしっかりと意識した上で選びたいと思います。
本は無理して読まなくてもいいのかなと気持ちを楽にさせてくれますし、本が好きな方なら「そうだよね」と納得させてくれる言葉に出合うことができる一冊です。