吉本隆明 糸井重里(聞き手)『悪人正機』(新潮文庫)

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こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。

読書会の開催や発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。

 

今回紹介する本は、吉本隆明 糸井重里(聞き手)『悪人正機』(新潮文庫)です。

 

北海道立文学館での特別展「没後10年 吉本隆明ーー廃墟からの出立」を見に行き、吉本隆明さんの思想にもっと触れたいと思い、紹介してもらったこちらの本を手に取りました。

 

聞き手は糸井重里さんです。

対談の形式ではありません。

「〇〇ってなんだ?」の問いがあります。

先に糸井さんが感じたことのまとめのページがあり、吉本さんの語りという構成になっています。

 

悪人正機とは、「悪人こそが仏の教えを聞いて悟りを得る能力・資質を備えた往生するにふさわしい者であること」とgoo辞書に載っていました。

 

理想論で語られることが多々あるかと思います。

その通りに実行されたら理想だろうな、なんて思うこともあります。

しかし、耳なじみのよい言葉にだまされてはいけません。

そもそもその人にはだますという発想はないかもしれません。

なので、一歩引いて注意するくらいの姿勢は大切だと考えます。

 

耳なじみの良い言葉だけをそのまま受け入れるのは危険だと思っています。

聞いたことを自分の言葉で再構築して、どれだけ根拠と自信を持てるかが大切だと感じました。

 

本当に困ったんだったら、泥棒して食ったっていいんだぜ

吉本隆明 糸井重里(聞き手)『悪人正機』(新潮文庫)(p19)

と言えるでしょうか?

はっきりと意見を述べるとそれこそ今の時代はネットで炎上しかねません。

 

それでも嘘を言わず、自分の考えを自分の言葉で語ることは大切だと感じました。

その上で発せられた言葉であれば、炎上しようと対等に議論ができるのかなと思いました。

「〜だと思います」を使わずに言い切ることが大切なのではなくて、自分の気持ちを正直に嘘偽りなく伝えることが大切です。

そこに嘘がなければ、間違いだと気づいたときにはちゃんと認めることができるし、建設的な議論をすることもできます。

無理に煙を立てる必要はありませんが、必要以上に反論批判は恐れる必要がないと感じました。

 

一番心に残ったのは、「10年やれば誰でも一丁前になる」(p171)でした。

糸井さんは「役に立つ法則」と称しています。

それは

とにかく毎日、(いっしょうけんめいじゃなくたっていいから)10年続けたらものになるんだ

吉本隆明 糸井重里(聞き手)『悪人正機』(新潮文庫)(p170)

ということです。

10年やれば誰でも一丁前です。

毎日やることが大切であり、それは掛け算をしていくことになると言います。

日を置いてやるのは足し算であり、重ねていくと掛け算との差は大きく異なっていくのは想像に容易です。

また素質や才能が必要になるのは一丁前になってからということです。

ある程度のところまでは続けることで達することができると言われると安心します。

 

今の仕事ももうすぐで10年を迎えます。

休みの日はちゃんと休んでいるのでもしかしたら足し算になっているのかもしれません。

それでもどうすればいいかが見えてきたところはあるように感じています。

自分がどこで力を発揮すべきなのかを大切に仕事に励みたいと思います。

 

読書セラピストとしての活動もコツコツと続けていきたいです。

発信活動だけでなく、本を読まなければ始まりません。

本を読むことは習慣を超えてしていない日があるかどうかすらわからないくらい染み付いています。

そういう意味では読書に関してはすでに一丁前になっているのかもしれません。

才能があるとは思っていませんが、これからも大切にしたい取り組みです。

 

偉大なる思想家の片鱗に触れることのできた一冊でした。

 

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