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こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の運営をしています。
また、ブログ、SNSやポッドキャスト等の発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。
今回紹介する本は、三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)です。
三宅さんらしいキャッチーなタイトルで、一時的に本屋さんからなくなってしまうほどの売れ行きを見せています。
三宅さんは文芸評論家として活動されています。
もともとは読書論の歴史について書く依頼だったそうです。
本書は読書史と労働の観点から、今の社会で「本が読めなくなっている」理由について探っていきます。
明治から順番にさかのぼっていきます。
歴史に苦手意識のある私ですが、興味のある分野ということもあってたのしみながら読むことができました。
その時代ごとに読書へのとらえられ方というものは変わっていきます。
ネット社会である今の時代にとって読書というのは「ノイズ」であると書かれています。
確かにネット検索をして自分が必要としていない情報だと思ったら、そのページはすぐに閉じてしまいます。
自分が想定していなかった展開や知識に触れることができるのが読書の魅力ではありますが、仕事の業務に追われ、やらなければいけないことが山ほどあるとどうしてもコスパやタイパが求められるのも無理はありません。
最後は社会への提言で締められます。
業務が過多になり、全身全霊を尽くさなければいけなくなるのではなく、「半身で生きる」ことができる社会を目指していくべきだと述べられています。
私は日常の生活にうまく読書を取り入れることができていると思います。
家に帰っても仕事のことを考えたりすることもありますが、区切りをつけることはできます。
また、読書はノイズであることをわかっているのも大きいと思います。
読書を通して学んだことがいつ活きてくるかは分かりません。
「なんの本読んでいるか」を聞かれて上手に答えられないこともあります。
一生活かされることなくノイズのまま終わってしまう本もあるかもしれません。
ただ、その蓄積が自分を生かしているのだと思うと、読書は素晴らしいものだと思うのです。
学生の頃にはできていたのに、社会人になってできなくなったことはないでしょうか?
これからの社会を考えていくうえでおすすめしたい一冊です。
印象に残ったところ
働きながら本を読める社会。
それは、半身社会を生きることに、ほかならない。
三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)(p264)