「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会を主宰しています、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
5月が終わりましたね。
ということで読んだ本を振り返ってみます。
感想文はInstagramに載せたものを元にしています。
通し番号は今年に入ってからのものです。
2021年5月に読んだ本
55.三井公一『iPhonegrapher 写真を撮り、歩き続けるための80の言葉』(雷鳥社)
写真を撮るのが好きです。小さいころのクリスマスプレゼントにカメラをもらってたくさん撮ったのを今でも覚えています。
機材に凝っているわけではなかったので、カメラを買って始めたいなと思っていましたが、資金と実際にそれを持ち歩いてどこかに行くかという面倒さを考えるとなかなか先には進みませんでした。
こちらの本をお借りしました。iPhonegrapherという言葉を初めて聞きました。iPhoneはカメラとして劣っていることはなく、手軽さがいいのかもしれません。まずはiPhoneでもっと撮ることを楽しんでみようと思いました。
(2021/05/02 読了)
56.『文豪ナビ 太宰治 ナイフを持つまえにダザイを読め‼︎』(新潮文庫)
近く北海道立文学館で開催される太宰治展に備えて読みました。
中学生のときに教科書で『走れメロス』を読んだのが記憶にあります。
時間があるので手持ちの『人間失格』を読んでみようと思います。
(2021/05/03 読了)
57.太宰治『人間失格』(新潮文庫)
今度、太宰治展に行く予定なので備えて読みました。
第一の手記の書き出し「恥の多い生涯を送って来ました」が印象的です。
人前でドジをして笑いを取るのは道化なのでしょうか?
他人の顔色を伺うばかり自分の意義を失ってしまうことはあるかと思います。
酒に溺れ、薬に浸かり、絶望のなかで何か見出せるものがなかったのかなと訴えかけてくるような感じがしました。
(2021/05/07 読了)
58.秋竹明子『1分間声トレ』(ダイヤモンド社)
Kindleで購入したまま埋もれていたようでした。
日常生活ではもちろん仕事でも「声」で伝えるというのが大部分を占めています。
意識しないとボソボソと喋ってしまうので気をつけたいです。
大きな明瞭な声で伝えるために腹式呼吸を心がけます。
エクササイズが多く紹介されていたのでピンとくるものから試してみるのがよさそうです。
(2021/05/10 読了)
59.キャロル・S・ドゥエック『マインドセット 「やればできる!」の研究』(草思社)
よりよいマインドセットをもつのに心がけることや他者にどういう働きかけをするとよいか書かれています。
この本ではマインドセットを、才能は変化しないという「硬直マインドセット」と、才能は磨けば伸びるという「しなやかマインドセット」のふたつを対比させて説明しています。
学生時代の勉強に関していうと前者の「硬直マインドセット」だったのかなと思います。
いい点数を取ることを目標にして取れないことを悔やんでいたように思います。
自分の強みとなりうる資質として「学習欲」があるとわかってからは、いかに知的好奇心を刺激するかを考えていけばよいのかと、考えるようになったと思っています。
いつまでもしなやかに、挑戦と失敗を繰り返しながら学び続けたいです。
(2021/05/13 読了)
60.坂口恭平『躁鬱大学』(新潮社)
著者の坂口さんもわたしと同じく双極性障害をもっています。双極性障害をもつ人をわかりやすく躁鬱人とこの本では呼んでいます。
わたし自身この病気との付き合いは長いですが、それでも気分の波はわからないところがあり、未だに試行錯誤しているところがあります。
「躁鬱大学」とタイトルにあるように15の講義からなり、精神科医の神田橋篠治さんの『神田橋語録』をテキストに話が進められています。
なるほどなと納得するところが多く、どうすればこれからも躁鬱人として、心地よく生きることができるかのヒントを多くもらうことができました。
躁鬱はひとつの体質として、これからも波を乗りこなすように軽やかに心地よく生きる道を模索していきたいです。
躁鬱人(双極性障害)当事者はもちろんお近くにそのやうな方がいらっしゃる方に手に取っていただきたい一冊です。
(2021/05/14〜17)
(読むのにかかった時間 2:45)
61.トム・ラス『「向いてる仕事」を見つけよう』(ダイヤモンド社)
紹介を受けて興味深かったので読んでみました。
ストレングスファインダー の『さあ、才能に目覚めよう』の著者であるトム・ラスさんの新刊となります。
『「向いてる仕事」を見つけよう』とはありますが、あなたにとってこれが向いてますとかそういう類のものではなく、誰かの役に立つことが仕事の本質であり、自分でつくりだすものだと説かれています。
ウェブテストではどの分野で貢献をしていくとよいかがわかります。
わたしは「教える力」「達成する力」「広げる力」でした。
貢献の形をこれからも考えていきたいです。
(2021/05/17〜5/20)
62.東田直樹『自閉症の僕が跳びはねる理由』(角川文庫)
先日、シアターキノで映画『僕が跳びはねる理由』をみました。
原作が東田直樹さんのこのエッセイということなので読んでみました。
映画でところどころ使われているフレーズに触れ、考えを深めることができました。
もし自分が言葉を通したコミュニケーションをすることができないとしたらということは想像もつきません。
映画でも文字盤を使ってのやり取りの様子が紹介されていました。
「普通ではない」としてしまうところが相手を障害者=可哀想の構造を生み、歪んでしまうと差別につながってしまうのかなと感じました。
自分とは違う世界があり、その世界で生きる人たちから感じ取れるものがあったらいいなと思いました。
(2021/05/21 読了)
63.『致知』2021年6月号
6月号もボリュームたっぷりで背筋を伸ばしながら読ませていただきました。
表紙なっているレスリングの伊調選手とスピードスケートの小平選手の対談が特に印象的でした。
自分で進むべき道は自分で決めて、努力を続けていきたいです。
(2021/05/25 読了)
(読むのにかかった時間 03:51)
64.『季刊 プリンツ21 2006春』
お借りして読みました。
写真の世界は奥が深いなと感じます。
そのすごさをどれくらい感じられているか分からないし、それを表現する言葉を持ち合わせていません。
続いていく世界観のほんの一瞬を切り取ったものが写真なのかなと思いました。
学んで表現できるようになってくるとまた魅力もわかってくると感じました。
(2021/05/26 読了)
65.三浦崇典『1シート・マーケティング』(ポプラ社)
ゼミで何度もお世話になっている天狼院書店店主の三浦崇典さんによるマーケティング論です。
マーケティングを学ぶのが初めてでもわかりやすく7つの要素に分けて説明されています。
それぞれの項目に対する質問に答えながら自分に足りないところを把握することができました。
これからの時代は個人においても、組織の中の一員としてもマーケティング感覚を持つことが大切だと思います。
それを学ぶきっかけとしておすすめです。
稼ぐのはお金のためと言うよりも人のためであり、「愛」である。
なるほどなと思いました。
(2021/05/21〜2021/05/27)
66.東野圭吾『容疑者Xの献身』(文春文庫)
ガリレオシリーズの長編であり、直木三十五賞受賞作です。
テレビドラマや映画等では福山雅治さんがガリレオ先生こと物理学者の湯川学の役をやっています。
母娘の暮らすところに別れた夫がやってきます。一瞬の出来事で娘が鈍器で殴りつけ、母がコタツのコードで絞殺します。
あっという間の出来事に立ち尽くす中、隣人の高校数学教師の石神がやってきます。
あれこれ指示を出して、アリバイ工作へと進んでいきます。
その事件を担当する刑事の草薙とガリレオ先生こと湯川は大学の同窓であり、隣人の高校数学教師の石神も同窓生であることがわかります。
湯川はかつての石神を「ダルマの石神」と呼んでいました。
数学教師の石神が企てたアリバイ工作がどのようなものであったのか。
そこまでの「献身」をした理由はなんだったのか。
ぜひ読んで確かめてほしいです。
“人は時に、健気に生きているだけで、誰かを救っていることがある。”(p386)
印象に残りました。
(2021/05/31 読了)