今回取り上げる本は、川端康成『雪国』(新潮文庫)です。
古典と呼ばれる作品にも積極的にチャレンジしていきたいと思っています。
『雪国』は、ずっと読みたいと思っていましたが、今回、円錐書店で見つけたので迷わずに購入しました。
裏表紙には「川端文学の美質が完全な開花を見せた不朽の名作」とあります。
親の脛をかじって生きていた島村が雪国の温泉町で芸者の駒子と出会います。
駒子の生き方に感銘を受けますが、一線を越えようとはしないお話です。
以前といっても相当前ですが、天狼院書店のライティングゼミを受講したことがあります。
そのときにむずかしい言葉を使わずにわかりやすい言葉で書くことを心がけましょうと習いました。
そのときの代表例が『雪国』の第2文目でした。
書き出しは有名ですね。
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。
その次が、
夜の底が白くなった。
です。
この文でその後の作品の雰囲気を決定づけるぐらいぐっとくるものがありました。
「夜」「底」「白い」という単語を知っていても自分はこの表現にはたどり着けないです。
また、わかりやすい文章だからこそ翻訳もされて、ノーベル文学賞も受賞されたのだと思っています。
他の作品も色々読んでみようと思います。