伊坂幸太郎『SOSの猿』から考える、「想い」について

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伊坂幸太郎さんの『SOSの猿』を読み終えましたのでそこから考えたことについて書いていきます。

「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌で読書会を開催しています、本のチカラで癒しと安らぎを与える読書療法士の井田祥吾(@shogogo0301)です。

20分で300億円もの大金が失われた菩薩証券について語られる「猿の話」と、引きこもりの青年に悪魔祓いを試みる「私の話」が並行して進んでいきます。

一見どうつながるかわからない二つの話がうまく合流したときの腑に落ちる感じがなんとも気持ちがよかったです。

印象に残ったシーンがあります。

コンビニの前で合唱をしている人たちがいます。

何のために歌っているのか? と聞かれます。

誰かを救うために歌っているなら、目の前の困っている人に歌えばいい、と挑発のように言われます。

それに対し、

わたしたちの歌は、空からでっかい石を運んでくるわけ。聴いている人の胸にその隕石をぶつけるの(p209)

と返します。

この表現はエッセイ『3652』で伊坂幸太郎さん自身が読者に対して小説を書くことについてのメッセージで書かれています。

明確なメッセージがあるわけではないけれど、読んでおしまいでなく、漠然とした隕石が落ちてほしいという表現でした。

 

よく文章術に触れると明確なメッセージがあり、行動を促すのがいい文章だというのを目にします。

もちろんそれはそれで正解だと思っています。

しかしそれ以上に自分の想いを言葉に乗せて、相手の魂を揺さぶる、結果としてそのときだけでも感情を動かすことができるのも大切なのではないかと思います。

どう伝えるかも大事ですが、どのようなマインドを持っているかもとても大切なことだと思います。

私の書く文章も読んだ人の心のどこかに隕石のようなものが落ちてほしいと願っています。

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