天童荒太『包帯クラブ』(ちくま文庫)

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こんにちは、井田祥吾(@shogogo0301)です。

読書セラピストとして本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。

また、「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の主宰や人間学を学ぶ月刊誌である『致知』の読書会である北海道致知若獅子の会の世話人をしています。

 

今回紹介する本は、天童荒太さんの『包帯クラブ』(ちくま文庫)です。

いわた書店の一万円選書のご縁で手に取りました。

何度も紹介をしていますが、いわた書店の一万円選書とは北海道の砂川市にある「いわた書店」のサービスです。

抽選に当選するとカルテと呼ばれるアンケートが送られてその回答をもとに店主の岩田さんが一万円ほどの本を選んでくれます。

残り少なくなってきました。

どうして岩田さんがその本を選んだかは直接知ることができないので考えながら読むのが面白いです。

 

今回読んだ、『包帯クラブ』は関東のはずれに住む少年少女たちの物語です。

 

傷を負えば処置をします。

包帯をすることもあります。

包帯をすることで「傷」として認識することができて癒えていきます。

それは物理的な怪我だけでなく、心の傷に対しても言えることです。

心の傷に対して目に見えないところに包帯を巻くことはできないので、そのトラウマになっているようなところに包帯を巻くクラブを結成します。

それが、「包帯クラブ」です。

心の傷というものは目で見ることができません。

何かものを見ることで心がきゅっと狭くなるような思いをすることもあることから、心と外部というものはつながりがあると考えられます。

包帯クラブのように物理的にものに対して目で認識できる形で変えていくことで心の持ちようが変わるところもあるのかもしれません。

 

ものに対して見方が変わるという点では、本という存在に対して言えることかもしれません。

本とりわけ小説は基本的には文字の羅列です。

そこから想像力がかきたてられイメージが膨らんでいきます。

その結果何かを感じていくことができます。

 

内面というというものは直接見ることができませんが外部のものを通して伝わってくるというものが多いのかもしれませんね。

 

包帯クラブの活動がどういう経過を辿っていくのか、少年少女の関係性がどうなっていくのか、興味深く読むことが出来ました。

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