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31音で想像力をかき立てられる世界を感じました。
今回紹介する本は、俵万智さんの『サラダ記念日』(河出文庫)です。
小川洋子さんがパーソナリティを務めるラジオMelodious Libraryで取り上げられるということで再読をしました。
電子書籍でももっていましたが紙で読みたいと思ったので購入をしました。
俵万智さんの有名な歌といえば本書のタイトルにもなっている「サラダ記念日」かと思います。
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
俵万智『サラダ記念日』(河出文庫)p127
夏の爽やかな朝の素敵なカップルの姿が想像できます。
七夕の前の日というのが何ともいいですよね。
以前俵万智さんがTwitterでこのようなことをおっしゃっていました。
「今の時代はたくさんのいいねを集めますが、この歌はひとつのいいねで幸せになれる歌です」
というようなことをおっしゃっていました。
自身の歌の解説をこのようにするのもなんだか素敵だなと思いました。
お気に入りをもうひとつ。
「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
俵万智『サラダ記念日』(河出文庫)p20
マイナス×マイナスがプラスになることを文学的に表現するとこんな感じになるのかなと思います。
最後はこちら
思い出はミックスベジタブルのよう けれど解凍してはいけない
俵万智『サラダ記念日』(河出文庫)p111
色とりどりの華やかな思い出はそっとそのまま取っておくのが良いのですね。
短歌は31文字なので読み手の想像力が掻き立てられます。
お気に入りの歌があったらぜひ教えてください。