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こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
読書会の開催や発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。
今回紹介する本は、集英社文庫編集部編『短編宝箱』(集英社文庫)です。
昨年12月の東京の旅行へのお供として読みました。
旅のお供として持っていく本にはアンソロジーを選ぶことが多いです。
長編を持っていって合わないなと感じながら読み進めることになったらイヤだなぁという思いもあります。
読んでいて途中で止めようと思うことはここ最近ではそうそうないのでその心配は必要ないかもしれませんが、万が一に備えてアンソロジーを選びました。
11人の作家さんの短編で構成されています。
書き下ろしというわけではないのですでに読んだことがある作品もありました。
ただ、短編作品も収録のされ方という切り取り方によって感じ方も変わってくるのかなと思いました。
アンソロジーは色々なおかずが楽しめる幕の内弁当のようだなと感じました。
あらゆる作家さんの作品を楽しんで気に入った作家さんを掘り下げてみるのも良さそうです。
特に気に入った作品は朝井リョウさんの『エンドロールが始まる』でした。
書き出しが素晴らしいです。
伸ばした小指のつめはきっと、春のさきっぽにもうすぐ届く。
(p471)
先生に恋した女子高生が想いを告げる話です。
最後のシーンも印象的でした。
私の中にある思いは、過去形でしか伝えられない。自分で小さくピリオドを打ちこんだあとでないと、伝えられない。
(p504)
誰かへの思いは感じたその時に伝えることができるのがベストなのかもしれません。
それでもなかなか伝える勇気が出ないことはもちろんあります。
早く伝えたほうが可能性が広がると思いつつも、伝えることができたのがいつであっても遅すぎるということはなく、何かしらのものをもたらしてくれるのではないかと思いました。