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こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
「本を語り、人と繋がる」をテーマに、札幌ゼロ読書会の運営をしています。
また、ブログやSNS、ポッドキャストを通じて、本の魅力と読書の素晴らしさを広く発信しています。
今回ご紹介するのは、小川洋子 河合隼雄『生きるとは自分の物語をつくること』(新潮文庫)です。
著者は芥川賞作家の小川洋子さんと臨床心理士の故・河合隼雄さんです。
わたしも好きなんですが、小川洋子さんの『博士の愛した数式』の映画を河合さんがご覧になり気に入ったことから対談へとつながったそうです。
河合隼雄さんはユング系の臨床心理士として活躍されました。
わたしが知ったのはお亡くなりになった後でしたが、『心の処方箋』は本当に心の支えになっています。
臨床心理士として心のエキスパートのような存在ですが、その優しそうな笑顔で全てを包んでくれるんじゃないかというそんな気がします。
作家さんにインタビューをするとしたらあなたは何を聞くでしょうか?
わたしは間違いなく、「なぜ小説を書くのでしょうか?」と聞くと思います。
実際エッセイを見ていても作家さんがどんな思いで書いているかを知るのが好きです。
若くしてデビューをして賞を取り、同じような質問をされるたびに小川さんの心にはモヤモヤがありました。
直感的に自分のためとは違う気もするし、かといって読者のためというのは媚びている感じがして違うとのことでした。
人の死に倫理的な説明がむずかしいように、書くという行為は生きるとつながっているようです。
印象に残ったところを引用します。
ああ、そうか。
自分は作家だから小説を書いているのではない。
誰もが生きながら物語を作っているのだとしたら、私は人間であるがゆえに小説を書いているのであって、「なぜ書くのか」と聞かれるのは「なぜ生きるのか」と問われるに等しい。
まさにその問いこそが表層の鎧の奥に沈む混沌であり、それを現実的な筋道で説明できないのも当然なのだ。
説明できないからこそ、自分は小説を書いている……。
小川洋子 河合隼雄『生きるとは、自分の物語をつくること』(新潮文庫)(p127)
これを読んだときに自分も小説を書いていいんだと思いました。
小説と呼べるようなものでなくても、物語でもいい。
掌編小説のようなものを紡いでいきたいと思いました。
心にフォーカスして夢のお話を綴ってみるのも面白いかなと思いました。
意味があるからかくのではなく、意味を見つけるためにかけたらいいなと思います。