若林正恭『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』(文春文庫)

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自分探しの旅という言葉にどういうイメージを持ちますか?

 

今回紹介する本は、若林正恭さんの『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』(文春文庫)です。

説明は不要かと思いますが漫才コンビであるオードリーのツッコミを担当されています。

読書家としても知られています。

元テレビ東京の佐久間宣行さんが雑誌で紹介されていたのをきっかけに手に取りました。

 

メインとなっているのはキューバへの旅行記です。

キューバの他に書き下ろしとしてモンゴル、アイスランドの旅行が収められています。

 

このエッセイは、そもそもどうしてキューバに旅行に行こうと思ったのかから話がスタートします。

ニューヨークのキラキラとしたネオンは「夢を叶えよう」とか「目標に向かって」というギラギラとした感じがして違和感を覚えたようです。

そこにあるのは資本主義経済であり、日本もその延長線上にあるのではないかと感じていました。

それが進むと新自由主義と呼ばれる、少数の「勝ち組」と多数の「負け組」に別れたり、どんどん格差が広がって行くのではないかと感じたようです。

負け組でいいわけではないけれど、這いつくばって上を目指したいかと言われるとなかなかむずかしい感覚になります。

そこで考えたのはアメリカや日本の社会システムとは異なる国を自分の目で確認をすることでした。

そうして選んだのが社会主義国家であるキューバでした。

現地でガイドをつけたり、自分一人で散歩をしたりと肌で外国を感じます。

 

実際に若林さんが社会システムの異なるキューバでの旅行を通して何を感じたのかは実際に読んでほしいところです。

 

「自分探しの旅」というのはどちらかというと揶揄する形で使われることが多いかと思います。

若林さんのこの旅行記もわたしは「自分探しの旅」だと思います。

国家や社会と自分との位置関係を把握したり、自分がどうあるべきなのかを考えられています。

それを書籍や家庭教師をつけて学ぶだけでなく、実際に現地に足を運び自分の体で体感されようとしていました。

この旅行記を通して改めて自分の五感で得て行動することは大切だなと感じました。

 

ちなみにゲバラの名言が出ていましたので紹介します。

伊坂幸太郎さんの『終末のフール』(集英社文庫)で知った言葉でした。

「明日死ぬとしたら、生き方が変わるのですか? あなたの今の生き方はどれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」

若林正恭『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』(p75)

明日死ぬと分かって生き方が変わるくらいなら今から変えるべきです。

いつ死ぬか分かりませんが人は必ず死にます。

人生100年時代と言っても、100歳以上生きる人もいればそれより短い人もいます。

死のタイミングは選べないからこそ今日という1日をていねいに生きたいものです。

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