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「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会を主宰しています、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
第76回 札幌ゼロ読書会「本の話をしよう」では、村上春樹さんの『女のいない男たち』(文春文庫)を紹介しました。
表題作を含む6つの短編で構成されています。
女性を喪失した男たちの物語です。
読もうと思ったきっかけは『ドライブ・マイ・カー』が映画化されるとのことでした。
ちなみにサツゲキで2021年8月20日から公開です。
読書メーターの記録を見ると2016年に読んだ形跡がありました。
そのときは「理解が及ばないところがあったので再読をしたい」と残していました。
実際に読んだ記憶がほとんど残っておらず、また購入したはずなのにどこにも見つからず再度購入をしました。
その時から少なからず経験を積み、読んだ印象というのが変わりました。
『ドライブ・マイ・カー』は妻をなくした男性の話です。
俳優をしていますが軽い事故をきっかけに運転ができなくなり、ドライバーを雇うことになります。
みさきという若い女性ですが仕事をそつなくこなします。
みさきと話す中で、また妻と関係を持っていた男性と会う中での心境の揺れ動きが描かれています。
表題作『女のいない男たち』のワンフレーズがとても印象的でしたので引用します。
女のいない男たちになるのはとても簡単なことだ。一人の女性を深く愛し、それから彼女がどこかに去ってしまえばいいのだ。
村上春樹『女のいない男たち』(文春文庫)p294
喪失の苦しみというのはなかなか想像が難しいところです。
ならば今この瞬間を共有していることを深く大切にしていきたいです。
村上春樹さんの作品は言葉にならない心理を手に取るように味合わせてくれれる魅力があります。
感じたものをそのまま言葉で表現することはむずかしいですが、そういう精神の拠り所としてこれからも読んでいきたいです。