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2022年9月にいわた書店に行きました。
いわた書店といえば一万円選書です。
当選すると一万円分の本を選んでくれます。
そのお礼を伝えるために行きました。
そこでも本を購入しました。
その中の一冊が、稲垣栄洋さんの『一晩置いたカレーはなぜおいしいのか』(新潮文庫)です。
約一年間積読にしていたことになります。
副題として「食材と料理のサイエンス」とあります。
あらゆる料理はおいしく食べるための工夫のためにやっているだけでなく、そういう調理過程をしているには理由があるものがあります。
食べ合わせに関して、おいしいからという理由だけでなく消化を助けるためといった役割をしているものも多くあります。
脂っこいものに大根おろしなどがその例です。
植物にも子孫繁栄のための戦略があります。
ひとつは食べられないようにすることです。
食べられなければ数は増えていきます。
逆に、食べられるという戦略をとる作物もあります。
鳥などに食べられることによりフンとして種が運ばれることにより、広く分布されることを目論んでいます。
真逆の戦略をとられることがあり、なんだか面白いです。
この本を購入したきっかけは表紙の美味しそうなカレーの絵でした。
一晩置いたカレーは確かに美味しいです。
実家にいたときは鍋いっぱいに作られていたので、次の日の朝が楽しみでした。
肉の種類は固定ではありませんでしたが、野菜は決まって人参、じゃがいもと玉ねぎでした。
この野菜の中の一つが一晩置いたカレーを美味しくされていると分析されていました。
ちなみにわたしの読みは外れました。
わたしは、たまにルーカレーを作ります。
「その食材」を使っていなくても一晩置いたカレーは美味しく感じているからです。
もしかしたらルーに含まれる小麦粉が関係しているんじゃないかと思ったりしました。
文庫である解説の立ち位置で印度カリー子さんがガチで補足をするかのように考察しているのが面白かったです。
何気なく食べているものでも何一つ人間の力のみで作り上げることはできません。
野菜を自分の手で育てたといっても自然の恵があってこそです。
また、「いただきます」というのは作ってくれた人に対する感謝の気持ちでもあります。
それと同時に命をいただくことなのだと改めて考えさせられました。
この感謝の気持ちはスーパーのお惣菜に頼りがちな男性一人暮らしであっても忘れてはいけないものです。
食に関する雑学としても面白い一冊でした。