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「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌で読書会を開催しています、本のチカラで癒しと安らぎを与える読書療法士の井田祥吾(@shogogo0301)です。
2020年8月28日に開催された第9回ビブリオバトル@SALOONで紹介した本は、東野圭吾さんの真夏の方程式でした。
himalayaの音声は実際のビブリオバトルで紹介したものそのものです。
聴いていてまどろっこしい部分もあると思いますが、熱はこもっているのではないかと思います。
東野圭吾『真夏の方程式』
音声の文字起こしではなく、冷静になって本の紹介をしようと思います。
わたしは東野圭吾さんの作品を刊行されているものは全て読んでいるはずです。
どうしてそこまでハマるのか?
まずは圧倒的な読みやすさがあると思います。
読んでいて情景がとても思い浮かびやすいのです。
もう1つは単なるミステリーにとどまらないということです。
肉付けされたストーリーの中に考えさせられる社会的なメッセージが込められています。
この作品も例外ではありません。
『真夏の方程式』はガリレイシリーズと呼ばれるシリーズものの長編小説です。
映画化やドラマ化もされているのでご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
主人公は大学の物理学科の准教授の湯川学です。
映像化作品では福山雅治さんが演じており、観てはいないわたしも脳内変換ではそれで読んでいきました。
大学の同期であった草薙が湯川の元へ「こんな事件があるんだが」と相談を持ちかけて、湯川が紆余曲折ありながら事件の解決に関わっていくというのが多い流れです。
今回のテーマは海辺の町でした。
海底資源の発掘の調査の一員(あくまで中立の立場)として海の町へ湯川は行きます。
そこに親の仕事のため夏休みの間、その町の旅館で過ごすことになった少年と出会うところから物語が始まります。
ある日、事件が起こります。
その旅館に泊まっていた男性が不審な死をとげて、しかもその男性はかつて刑事でした。
事故死ではないと感じた湯川は真相に近づくべく、刑事の草薙に調査を依頼するのでした。
少年が事件のキーパーソンになるわけですが、対し方は大人と変わらず容赦のない湯川です。
どうして湯川は事件の真相に迫ろうと思ったのか? 少年にどのような言葉をかけるのか? その辺りが見どころかなと思います。
考えさせられるテーマは「開発」です。
海底資源の調査がこの町に入るわけですが、環境に影響がでると考え反対する人がいます。
ただ闇雲に反対するだけでなく、相手の立場の理解に努めた上で反論する姿勢が大切なのかなと思いました。
夏の終わりにでも読んでほしい一冊です。