魂をわしづかみにされる

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今回紹介する本は、西加奈子さんの『わたしに会いたい』(集英社)です。

 

ガンの治療を書かれたノンフィクション『くもをさがす』(河出書房新社)の後に刊行された短編集になります。

西さんの作品を読むといつも感じることなのですが、今回は今まで以上に魂をぐっとつかまれるような感覚になりました。

ガンを経験した女性というのも自分が直接は味わうことのない感覚なので余計に感じるところがあったのかもしれません。

男性と女性では当然ながら感性が異なるので、この作品がどう感じるかは聞いてみたいところでもあります。

一番心に響いたのは表題作でもある『わたしに会いたい』でした。

「わたし」の周りの人が「わたし」のドッペルゲンガーをたびたび目撃します。

「わたし」がそれを目撃しない理由をいとこのモトと考えていきます。

よく言われるのはドッペルゲンガーを本人が目撃すると死んでしまうというものです。

では、どうして死んでしまうのか。

そもそも死とは、なんなのか。

生きることは死と対極にあるものなのか。

とふたりで考えて話は進んでいきます。

モトが出した結論はこうでした。

「人が死にたいと願うとき、死は近づいてくるけれど、むしろ遠ざけるために近づいてくるんだよ。死を強く意識させ、そして気配だけを残した去ってゆく。その人を生かすために。その人が何より生きるために。』

西加奈子『わたしに会いたい』(集英社)(p27)

わたしは、この世を生き切った証としてドッペルゲンガーに会いたいと思いました。

そういう意味で「わたしに会いたい」というタイトルを考えました。

 

ガンでの治療を経て書かれているものもあるので、辛く思われるところもあるかもしれません。

それでもこうして西さんの作品を読めることを大変うれしく思います。

これからも読んでいきたいです。

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