西加奈子『くもをさがす』(河出書房新社)

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こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。

読書会の開催や発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。

 

今回紹介する本は、西加奈子『くもをさがす』(河出書房新社)です。

いわた書店の一万円選書のご縁で手にしました。

 

作家の西加奈子さん初のノンフィクションです。

異国の地であるカナダのバンクーバーでガンが判明して、治療の様子や人々との交流が描かれています。

医療制度の違いはもちろんのこと、文化の違いやコロナ禍での対応、英語で思うようにコミュニケーションが取れないという困難や葛藤がありながらも自分自身に向き合っていきます。

主に医療関係者ですが、カナダ人が関西弁で訳されているのがおもしろかったです。

病気というものは時として人生そのものを考える契機にもなります。

ガンになって場合により摘出となれば性のもつ意味を考えることにもなるかと思います。

胸を失っても、「私は、私だ。私は女性で、そして最高だ」(p192)と胸を張る西さんが印象的でした。

ガン発見のきっかけは蜘蛛に噛まれて病院に行ったときに胸のしこりについて、ついでに聞いたことでした。

西さんの祖母さんが蜘蛛は弘法大師の使いだと信じており、何がきっかけとなるかはわからないものだと感じました。

私自身は大学のときに統合失調症と診断されました。

再発したときに双極性障害と診断が変わり、現在は服薬を続けながら日常生活を送っています。

今でもたまに調子がわるかったときのことを思い出すことがありますし、悪夢をみることもあります。

けれどもそれも過去の自分が作り出したものであることに変わりはありません。

病気を経験したからこそ気づけたこともありますし、もし発病が遅かったらもっと大変な目にあっていたかもしれないと考えることもあります。

病気自体に良いもわるいもないというのがわたしの考えです。

コロナが分断を生んだのではなく、分断を作り出したのは人間です。

ガンも自分の体の中が作り出したもので恨むことはできなかったと西さんも書かれています。

ただ、わたしは病気を経験したからこそ今の自分があるとも思っています。

自分だけのとっておきも大切にしつつ、経験を通して書くことは続けていきたいと改めて感じました。

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藤村忠寿 嬉野雅道『仕事論』(朝日文庫)

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