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「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会を主宰しています、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
今回は本の紹介です。
紹介する本は、坂口恭平『土になる』(文藝春秋)です。
著者の坂口恭平さんはマルチな才能で活躍をされています。
作家さんとしてはもちろん、自殺念慮の方の電話を受ける「いのっちの電話」、曲をつくり、編み物をし、パステル画も描きます。
絵に関しては表紙はもちろん中にも収められています。
坂口さんも躁鬱病を患っており、何かヒントがもらえるかもと読み始めましたがいつも色々な気づきを与えてくれます。
最近では病気に対するヒントをもらうというよりも純粋な興味から読んでいる感覚があります。
今作は、坂口さんが畑を始めてからの約3ヶ月の記録となっています。
畑の師匠であるヒダカさんや表紙にも描かれている野良猫のノラジョーンズを始めとする動物たちとの交流も描かれています。
坂口さんが畑を始めたきっかけは、
食料を獲得する場所が、誰もが同じスーパーなのはどうなのかと違和感を感じた。
坂口恭平『土になる』(文藝春秋)(p4)
とありました。
確かにその通りだなと思いました。
最近では農作物に「生産者の顔」が見えるようにされているところもありますが、どのように育ってきたかまではわかりません。
子どもに魚の絵を描かせたら海に「切り身」の状態で描かれていたなんて話も聞いたことがあります。
便利な一方でお金を払えば食料が買えるというのはある意味違和感を覚えることなのかもしれません。
坂口さんは試行錯誤をしながら畑に向き合っていきます。
その過程で考えていくことがとても興味深いです。
農作物は土から栄養をもらって育っていきます。
成長は目に見えますが、どうなっているかは目に見えるものではありません。
印象に残った一節を紹介します。
僕にとっての生きる喜びは、土になる喜び、土である喜びである。ここにいる喜び、ここで動ける喜び。土になるって言葉は死ぬことを表すが、僕にとっての土になるは、生きるである。いや、生きる=土になる=死ぬ、ということなんだと思う。
坂口恭平『土になる』(文藝春秋)(p124)
実家に住んでいた頃に家庭菜園の手伝いをしていた頃を思い出しました。
また土に触れて野菜を育ててみたいと思いました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは、よりよい一日をお過ごしください。