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今回紹介する本は、万城目学さんの『八月の御所グラウンド』(文藝春秋)です。
第170回 直木賞受賞作品です。
万城目学さんは以前、アンソロジーの中で読んだことがあります。
単著で読むのは今回が初めてでした。
城崎温泉で『城崎裁判』を買おうか悩みましたが、また来たときの楽しみとして買わずにとっておくことにしました。
私の知るところではテレビドラマ化された『鹿男あをによし』も有名です。
なので、読みたい作品が広がっています。
ジュンク堂書店でサイン本がありました。
かつて私も野球少年でしたので気になり購入しました。
『十二月の都大路上下ル』と『八月の御所グラウンド』の二篇が収められています。
舞台はどちらも京都です。
『十二月の都大路上下ル』は高校の女子駅伝のお話です。
駅伝メンバーの補欠としてついていきましたが、急遽代走として走ることになります。
極度の方向音痴で、コースで一回しか曲がることがないのにどちらで曲がったらいいかわからなくなってしまいます。
ハラハラ感と結末が微笑ましく好きな作品でした。
『八月の御所グラウンド』は大学生の話です。
数万円の借金を肩に草野球の大会に駆り出されます。
人数が集まらなくて不戦敗になるのではないかという状況にもなりながら勝っていきます。
ある試合の最後の一球でとてつもないボールが放られ、辺りは度肝を抜かれました。
その姿が戦死した沢村栄治だったのです。
現在では先発完投型の投手に与えられる名誉ある賞として沢村賞というものがあります。
なぜ彼がよみがえってきたのか、は考えさせられるところでした。
戦争がなかったら違う運命をたどっていた人は有名無名問わず数えきれないことでしょう。
国のためとはいえ、本当に受け入れることができていたのかはわかりません。
少なくともしなくていい争いで望んでもいない結果というものは避けなければいけないと感じました。
二篇とも人間味があり、読後感もよかったです。
他の作品も読んでみようと思います。