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その本を読むきっかけというのは様々です。
お気に入りの作家さんだからというのが多いです。
読書会を始めてからは紹介されたのをきっかけに読むことも多くなりました。
最近ではSNSを通して知ることも少なくありません。
今回紹介する、石黒圭さんの『ていねいな文章大全 日本語の「伝わらない」を解決する108のヒント』(ダイヤモンド社)は編集担当の今野良介さんのXを通して知りました。
今野さんが「この本が売れなければ、編集者を辞める」と意気込んでおり、どのようなものかと気になりました。
著者の石黒さんは国立国語研究所教授であり、言わば日本語研究のスペシャリストです。
その方が日本語の文章を伝わりやすくていねいにするためのポイントを紹介しています。
単語レベルの表記から最後は生成AIを用いた文章について書かれています。
わたしは頭から通読をしましたが、気になるところから読むのもおすすめです。
「正しい文章」としていないところはミソなのかなと思います。
発信する媒体によって適した表現方法も変わってきます。
論文で使われるものとSNSで好まれる表現というのは異なってきます。
どちらが正しいではなく、いかに伝わるように書くかというのは文章の基本であり、大切なことです。
指示を出せば文章を書いてくれるChat GPTのような生成AIの技術がどんどん発展していきます。
それ自体は決して否定されることではありませんし、わたし自身は大いに認めるべきだと思っています。
ただ、その文章で大丈夫なのか判断する目は必要ですし、そもそも文章を書かせるための指示をする文章能力はこれからも求められます。
誰でも書いてもいい文章はどんどんAIに任せて良いと思います。
でも、その文章を読んで感動したいかは別の話です。
AIが作ってくれる文章は平均的なものという話を聞いたことがあります。
指示に基づく平均的なものを導くということです。
なので、データが大量にあればその精度は上がっていきます。
しかし、あくまでも平均的なものなのでそこにブレイクスルーがあるかはなんとも言えません。
多分、わたしはAIが書いた文章と人が書いた文章を見分ける自信はありません。
それでも人間が書いた文章にこれからも感銘を受けたいと思うのです。
この本の中に、編集者の今野さんとのエピソードが2つありました。
副題の「日本語の「伝わらない」を解決する108のヒント」に決まる経緯と、今野さんが学生時のときの話です。
いずれも2人の関係性を理解していないと出てこない書けないエピソードです。
こういうものこそ今後も求められていく文章なのかなと思いました。
分厚いですが、この本こそていねいに書かれているのであっという間に読み終えてしまいました。
ぜひ、手に取ってみてください。
藤本さんとの月一本の紹介動画でも扱いました。