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「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会を主宰しています、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
今回は、本の紹介です。
紹介する本は、長谷川英祐『働かないアリに意義がある』(ヤマケイ文庫)です。
「ほぼ日の學校」での講義を聞いて興味が湧き、購入しました。
著者である長谷川英祐さんは進化生物学者であり、社会性昆虫の研究をされています。
研究内容はもちろんおもしろかったですが、研究者の気概のようなものを感じることができてよかったです。
生物の中にはコロニーと呼ばれる集団を作るものがあります。
ハチやアリといったものがその類になります。
そこには生き延びてきた理由というものがあります。
その中の1つがタイトルにもなっている「働かないアリ」がいるということです。
アリの集団の一匹一匹に個体認識ができるようにマーキングをして行動を観察したそうです。
そうすると働くアリと働かないアリというものが出てきます。
それらをまた同じ性質同士のものでグループ分けして観察すると、また働くものと働かないものに分かれるそうです。
この研究から「反応閾値モデル」があるということがわかったとことです。
働くまでに至る度合いや差があるということです。
人間でも綺麗好きの人がいれば乱雑でも平気な人がいます。
その掃除をするまでのスイッチの入る早さが違うのと感覚的には同じとのことです。
この反応するまでの差があることで、上司や司令官がいなくてもアリは集団としてやっていけると聞くとなんだかすごさを感じます。
文庫版のあとがきの最後が良かったので引用します。
今、役に立つものだけに投資しろ、と言う声は良く聞かれますが、それは滅亡への一本道です。
40億年間を生き抜いてきた生物たちが、効率よく存続を優先しているということが、無駄の重要性をなにより物語ります。
無駄こそ人生の証なり。
長谷川英祐『働かないアリに意義がある』(ヤマケイ文庫)p208
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは、よりよい一日をお過ごしください。