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読書の楽しみの半分は本を読むこと、残りの半分はなんでしょうか?
今回紹介する本は、アン・ウォームズリー『プリズン・ブック・クラブ コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年』(紀伊國屋書店)です。
訳者の向井和美さんの著書『読書会という幸福』(岩浪新書)のなかで自身で訳されたものとして紹介されていたのをきっかけに再読をしました。
かつて強盗に襲われたトラウマがありながらも、受刑者がどのように本を語るのかに興味をもち刑務所の読書会のボランティアとして参加をした一年の記録になります。
ブック・クラブというのは日本では一般的に読書会や読書クラブなどと呼ばれたりします。
ただ内容に関しては様々でこの刑務所の読書会のように課題本を読んできて語り合うものもあれば、好きな本を紹介し合うものもあります。
本の世界が好きな人でさえ知らない人が多い世界で、「読書会」と聞いてもピンとこない人は多いだろうと感じています。
ただでさえピンとこないであろう読書会に刑務所という組み合わせです。
成立しないような気もしますが、映画『ショーシャンクの空に』でアンディは刑務所の図書館を再生させますし、堀江貴文さんは服役中にで1,000冊以上の本を読んだと言われています。獄中でも本を出版する方はいますし、必ずしも縁が遠いものではなさそうです。
もちろん読書会に熱心に参加するものもいれば挫折してしまうものもいます。参加したらもらえるクッキー目当ての人もいます。
それでも本を自らの人生に重ねて語っている姿を読むと文学のもつ底力のようなものを感じました。
著者を読書会のボランティアに誘ったキャロルの言葉が印象的でした。
読書の楽しみの半分は、ひとりですること、つまり本を読むことよ」と秘密を打ちあけるような口調で語りかける。「あとの半分は、みんなで集まって話し合うこと。それによって内容を深く理解できるようになる。本が友だちになるの」
アン・ウォームズリー『プリズン・ブック・クラブ コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年』(紀伊國屋書店)(p160)
これからも一読書会主宰者として本を読む楽しさと語り合う素晴らしさを伝えていきたいです。