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「ねえねえ、井田さん。川端康成の雪国の冒頭知ってますか?」
そう聞かれたとき、私はもしかしてというよりもほぼ確信的にあの一文が話題になるだろうと思いました。
「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌で読書会を開催しています、本のチカラで癒しと安らぎを与える読書療法士の井田祥吾(Twitter: @shogogo0301)です。
それは日本文学を代表する名文であろう、「夜の底が白くなった」です。
実際にこの一文が話題でした。
その場では、その一文に対する、わたしの解釈を聞かれました。
私がこの一文がいかにすごいかを力説されたのは約1ヶ月ほど前の話でした。
その力説されたのを今度は力説する立場になるとは思ってもいませんでした。
夜も底も白もごくごく簡単な日本語です。
いかに平易な日本語で情報量が多いわけではないのに想像力を掻き立てられるこんな表現素敵ではないでしょうか?
それこそわたしの引き出しの多さというよりも引き出しの中身の組み合わせがうまくいかないせいか、伝えることが難しいですがこのような美しい文章を書けるようになりたいなと思う出来事でした。
やはり文章は贈り物だと思います。
大事なのは受け手の視点です。
もらった側がどう思うかを想像しないと単なるエゴになってしまいます。
文章を書くということに関していうと自分は時間を費やし、相手も読むのに時間を費やしています。
そういう意味では時間を費やすということはお金を書けるのと同様の価値があると言っても過言ではありません。
読書会を含めて、いかにお金と時間をかけてもいいと思えるものを提供できるかが今後考えていくべきことなのかなと思いました。