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こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
読書会の開催や発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。
今回紹介する本は、サン=テグジュペリ 渋谷豊 訳『人間の大地』(光文社古典新訳文庫)です。
2023年1月27日にサン=テグジュペリの『星の王子さま』を課題本にオンラインで読書会を開催しました。
その流れでこちらの本を読んでみようと思い、手に取りました。
本の管理をしている読書メーターの記録によると2016年8月以来の再読でした。
前回は、伊坂幸太郎さんの『砂漠』で最後のシーンでこちらの『人間の大地』のフレーズが取り上げられており、それをきっかけにして読みました。
サン=テグジュペリはパイロットとして活動していました。
色々なところを言葉通り飛び回っていました。
そのなかで人間に対する洞察がとても印象的だなと感じました。
『星の王子さま』もそうですが、詩的な情緒にあふれる文章です。
一見するとわかりやすい文章ではないかもしれません。
それでも印象に残るフレーズに出合うことができ、それはまるで宝石を探し当てたような気分になります。
印象に残った言葉を紹介します。
職業というものの尊さは、何よりもまず、人と人を結びつけることにある。
この世に本当の贅沢は一つしかない。
人間の関係という贅沢がそれだ。
サン=テグジュペリ 渋谷豊 訳『人間の大地』(光文社古典新訳文庫)(p57)
一人で完結する仕事というのはありません。
フリーランスといった個人事業主といった立場の方も誰かのために仕事を行なっています。
自分の行なっている先に人がいる限り、つながりというものが大切になります。
悩みの多くは人間関係であるということを聞きます。
人と人を結びつける仕事でそのこと自体が幸福であると感じられることはとても大切なことだと思います。
人間関係でストレスなく過ごすことができ、仕事でもそう感じられるように構築していきたいものです。
もう一つご紹介します。
経験によれば、愛するとは互いに見つめあうことではない。
一緒に同じ方向を見つめることだ。
同じザイルに結ばれて、ともに頂上を目指すのでなければ、仲間とは言えない。
向き合うのは頂上についてからでいい。
サン=テグジュペリ 渋谷豊 訳『人間の大地』(光文社古典新訳文庫)(p272)
愛とはどういうことかについてです。
互いを見つめ合うことではなく、同じ方向を見つめること。
その様子を登山にたとえています。
一緒に同じ方向を目指していける人であれば歩み寄って進んでいけることができるのだと思います。
向き合って相性がいいことを重視してしまうとペースが乱れるとお互いが過ごしにくくなってしまうのかなと思います。
ペースよりも方向性。
まずは目指す先、それが一致しているかどうかが大切にしたいです。
スルスルと読める文章とは違うのかもしれませんがどこか心に響くのではないかと思います。