「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会を主宰しています、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
今回紹介する本は、ニール・シャスタマン『僕には世界がふたつある』(集英社)です。
以前、一度読んでいたのですが、どなたかにお貸ししたかで手元になく、また読みたいと思ったので購入をしました。
精神疾患をもつひとりとして精神世界を学びたいと思ったのが最初に手に取ったきっかけでした。
ケイダンという少年が主人公です。
学校で周りとうまく馴染めない生活がある一方で、海の深淵を目指す乗組員として役割を果たしていく一面があります。
私自身も経験があることなのですが、周りから幻覚や妄想と言われても当の本人にとってはまさしく起こっている現実なのです。
理由や証拠がなくても自分がねらわれていると感じたら、その思いは自分の中では確実なものとして脳に刻まれています。
そういう場合にどうするかというと肯定も否定もしないことだと思っています。
ただ聞いて受け止めることが大切なのではないかと思っています。
薬は少ないことに越したことはありませんが、回復の一助になるならば使うべきだと思っています。
そして、何より病気だと診断されたとしても回復を祈って寄り添ってあげることが大切だと思っています。
今もわたしがこうして好きな本の活動ができるのも支えてくれている家族や友人達のおかげかなと改めて考えさせてくれるお話でした。
話がどう進んでいくのかという点でもおもしろいですし、精神疾患の世界を覗いてみる点でもなかなか興味深いかなと思います。
機会があれば、ぜひ手に取ってみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは、よりよい一日をお過ごしください。