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「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会を主宰しています、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
今回は、本の紹介です。
第78回 札幌ゼロ読書会「本の話をしよう」では、水野仁輔『カレーライスはどこから来たのか』(小学館文庫)を紹介しました。
カレー研究家の水野仁輔さんの一冊です。
カレーに関する著書を多数刊行されています。
この本は日本のカレーのルーツをめぐるノンフィクションです。
日本のカレー、いわゆる給食に出てくるようなカレーです。
あれの起源をご存知でしょうか?
カレーといえばインドかなと思う方もいらっしゃると思いますが、そうではないんですね。
インドで生まれたカレーがイギリスに渡り、スパイスミックスであるカレー粉が生まれて、明治の文明開化のときにそれが持ち込まれて、磨かれたのが今の日本のカレーです。
日本のカレーを起点に見れば、イギリスのカレーはお父さんであり、インドのカレーはおじいちゃんということになる。
水野仁輔『カレーライスはどこから来たのか』(小学館文庫)(p35)
とあります。
しかし明治の頃にあったカレーがどのようなものであったかは定かではありません。
そこで水野さんは文明開化によって伝わってきたイギリスのカレーを「黒船カレー」と名付け、そのルーツを調べることにしました。
文明開化の入口となった港をまわりましたが、得られるものは少なかったです。
あるとき、奥さんに
「いつかイギリスに行きたい」
水野仁輔『カレーライスはどこから来たのか』(小学館文庫)(p118)
とこぼします。
子育てが落ち着く15年後くらいでもタイミングでいけたらなと言います。
それに対して奥さんは、
「あなたが見つけたいそのナントカカレーっていうのは……」
「黒船カレー?」
「そう、黒船カレーというのは、15年後のイギリスにもあるの?」
水野仁輔『カレーライスはどこから来たのか』(小学館文庫)(p119)
と言い、いつかなくなってしまうかもしれないのにそれで満足できるのかと発破をかけます。
そして家族はどうにかするから、会社を辞めて、3ヶ月くらい探したらいいじゃないと提案します。
もしかしたら今のイギリスにもないかもしれないので不安もありましたが、水野さんはその気になりイギリスへと渡ります。
黒船カレーがどこで見つかったかは読んで確かめてほしいところです。
そこまで飛び抜けて美味しいと思われなかったであろうイギリスから伝わったカレーが日本人の手によって改良が加えられ、今なお札幌でのスープカレーなど新たな文化として発展していると思うとなかなか奥が深いです。
歴史は苦手ですが、好きなものならと選んだ一冊でした。
食に興味のある方にオススメです。
ぜひ、ご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは、よりよい一日をお過ごしください。