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こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
読書会の開催や発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。
今回紹介する本は、岸田奈美『姉のはなむけ日記』です。
わたしの好きな作家さんである岸田奈美さんの非売品の本です。
非売品というよりも特典といったほうが正しいかもしれません。
有料マガジンであるnoteを購読している人に配られました。
知的障害を抱えた4歳下の弟さんがグループホームに住み自立に向けて行動していくことになりました。
よいグループホームが見つかったのですが、作業所からのアクセスがわるく断念せざるを得ない状況かと思われました。
そこで岸田さんは送迎用の車を贈ればよいということを思いつきます。
そう簡単にはいかず紆余曲折がありますが、その過程で書かれた時期のnoteをまとめたのがこちらの一冊になっています。
アクセスがわるいなら送迎ができる車があればいいのだという発想力はわたしにはないので驚きでありすごさを感じます。
過程の中でいろいろとトラブルも起こります。
そもそもグループホームが近くにできること自体に反対の目を向ける人もいます。
そういう声にも逃げることなく真摯に向き合う運営の方の様子も大切にしたい心構えだなとわたしは感じました。
今でもnoteでは該当記事を読むことができますが、こうして本の形で読むとまた違った雰囲気を味わうことができました。
また装丁に凝っていてこだわりを感じる一冊でもあります。
本の角が斜めに裁断されており、カバー下の花模様の半分が切れるようになっており、切ってみると車の形になります。
こういう仕掛けをするとなるとなかなか手が込んでいるのが分かるかと思います。
最後にはマガジン購読者の名前がずらりと載っています。
「ウォーリーが見つからない」わたしにとってずらりと並んだ中から、自分の名前を探すのは苦行でしかないと感じたのでどこかに載っているんだろうなと心で思っておくことにします。
何と言ってもこれだけの数の人が岸田さんの活動をnoteを読むという形で応援している人がいるのだと思うとなんだか温かい気持ちになりました。
岸田さんのnoteはこちらからチェックしてみてください。
⭐️印象に残ったところ⭐️
今回紹介する本は、旅立つ人に花束を贈ることが由来だと思っていたが、違った。
「はなむけ」は花ではなく、鼻だった。
旅の無事を祈って、その人が乗る馬の鼻を、目的地の方へ向けてやるという習慣からきているそうだ。
岸田奈美『姉のはなむけ日記』(p254)