河合隼雄+大牟田雄三『ウソツキクラブ短信』から学ぶ、嘘の効能

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こんにちは、井田祥吾(@shogogo0301)です。

本の魅力や癒しの効果を伝える読書セラピストとして活動しています。

また、「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の主宰をしています。

 

今回紹介する本は、河合隼雄+大牟田雄三『ウソツキクラブ短信』(講談社+α文庫)です。

 

河合隼雄さんの著書は数冊読んでおり、『こころの処方箋』(新潮文庫)は何度も読み返したくなる名著だと思っています。

日本ウソツキクラブ会長であり、無二の親友でありよく間違われるという大牟田雄三さんが書かれています。

 

短信とあるとおり各々は短い文章なのでどこからでもサクッと読むことができます。

 

読んでいただければどういう本かわかるので詳細は避けますが、特殊であり、遊び心に富んだ本だと思いました。

ちなみにわたしは編集長の大牟田雄三さんが気になり調べてしまったので負けた気分です。

 

ウソツキクラブとあるくらいなので基本的に嘘です。

 

それでもジョークだと気づけて笑えるのもひとつの素養であるように、何だかもっともらしいというかどこからが嘘なのか見抜けないものもありました。

 

考えてみると小説というのは虚構です。

SFなんかは実際にはない空想の世界です。

それでもハマるのは現実感がそこにあるからです。

本当だから面白いわけでもなく、本心に迫る何かがあることが面白さに関わってくるのかなと思いました。

信じさせるのに必要なのは、事実をいうかではなくリアリティなのだと感じました。

 

昔、くりぃむしちゅー のオールナイトニッポンを聞いていました。

オープニングトークで「月に一度のお楽しみ」というのがありました。

有田さんが上田さんに無茶振りをして30分ほどずっとその話をするというものです。

「上田さん、北京オリンピックに出るって本当ですか?」

「上田さん、東京中のwiiを買い占めたんですって?」

とありもしない話を始めます。

無茶振りとわかっていれば楽しめるのですが、あまりにも(ふざけて)真面目に語るものなので、リスナーから「どこまでが本当なのですか?」とメールがくるくらいでした。

ネットに上がっているかもしれませんので気になる方は調べてみてください。

 

嘘をつくということで悩んだ時期があります。

自分の本当に伝えたいことを言うためには嘘をつかなければいけないと。

そのとき言われたのは本当に伝えたいことを伝えるのは嘘ではなく、建前だと。

嘘も方便という言葉があるように、相手を思っての気持ちを伝えるためのものは嘘だと罪悪感を感じなくても良いのかもしれません。

 

北海道の幸福駅のことが書かれていたりと全てが嘘ではなさそうなので、どこまでが嘘か考えながら読むと結構疲れました。

河合隼雄さんの茶目っ気を感じることができておもしろかったです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

それでは、また明日もお待ちしております。

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