イベント情報
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こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
読書会の開催や発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。
今回紹介する本は、佐藤友則/島田潤一郎『本屋で待つ』(夏葉社)です。
実家の本屋さんを継ぐことになった佐藤友則さんの半生と、本屋さんのスタッフさんとのやりとりや成長の物語です。
田舎の本屋さんである「ウィー東城店」は本を売るだけでなく、年賀状の印刷、写真の現像、コインランドリー、美容室やパン屋も手がけています。
どうしてそのようなことをしているのか?
またできるのか?
それは人々の本に対する信頼というものが根底にあるのだと感じました。
一昔前までは何か知識を得ようとしたときに頼ることができるのは本という媒体でした。
本そのものは利益率が低いものです。
これは売れなかった本は返すことができる返本制度によるものです。
この制度のおかげで日本全国どこでも本は同じ値段で買うこともできるので良い面もあります。
ただ、逆にこの制度があるから新刊本は値引きができないし、高く売ることもできません。
そこで利益を上げるために本以外のものも提供することとなるのですが、そもそも本屋に困った人が集まってくるのは、本に対する信用があるという一種の権威性から起こるものだとおっしゃっています。
本に関係ないプリンタの修理にも携わりますし、時には利益を度外視してお客さんの要望に応えようとする姿が印象的でした。
多角経営をしていったのはそれを目標にしていたわけではなく、困っているお客さんの要望に沿っていった結果であり、潜在的な悩みを考え続けた結果なのだと感じました。
本があるところには自然と人が集まってきます。
そこにはいろいろな可能性があり、そこで出会った縁というのも大切にしていきたいと感じました。
また、スタッフの方々とのやりとりもよかったです。
働くなかでかつて引きこもりだった青年が社会性を身につけていく様子が印象的でした。
社会の一員になるということはお金をもらうだけでなく、成長することであり、雇うということは教育することも含まれるのだと感じました。
本を売るだけでなく、困っている人を助けるという観点は天狼院書店と似ているものを感じました。
天狼院書店は本を読んだその先の体験を提供する本屋さんとしてゼミを多く開講しています。
本を起点にしていろいろなことを仕掛けてみるのが面白そうです。