本って本当にコストパフォーマンスがいいの?

読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。

「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の主宰をしています。

 

今回のお話は、「読書のコストパフォーマンス」についてです。

よくコスパと省略して言われますね。

日本語で言うと費用対効果といったところでしょうか?

読書の費用対効果について考えてみます。

 

結論から言うと読書というのはとてもコストパフォーマンスの良いものだと思います。

けれどもこれはあくまでも「比較をして」というのが前提となります。

 

わたしは毎日、『論語』の素読を行なっています。

『論語』は思想家である孔子の死後、その弟子たちがまとめた書です。

当然ながらいくら孔子から学びを得たいと思ってもそれが叶うことはありません。

しかし書物がのこっていれば、時間や場所を超えていつでも学ぶことができます。

これがわたしの考える読書の最大のメリットであり、コストパフォーマンスが高いとされるゆえんであると思っています。

 

そう考えると今ご存命の方に対してはどうでしょうか?

例えばあなたが教えを得たい方が目の前にいらっしゃるとします。

その場合、「〇〇について知りたいので本を書いてくれませんか?」と聞くでしょうか?

私だったら、「〇〇について教えてください」と直接お願いをします。

環境が整っているならばわざわざ「本」という形式をとる必要はないのです。

実際にわたしはコロナ禍以前は結構セミナーに参加をしての直接話を聴くという体験を大切にしていました。

学ぶという観点でいうとその人からなるべく直接に近い状態で学ぶことが大切だと思っています。

そういう意味からも本から学ぶというのはメリットはあるものの妥協の産物であるというのがわたしの感覚です。

 

別の視点でいうと、読書は結果的にコストパフォーマンスの高いものですが、コストパフォーマンスが高いから読書をするというのは読書の楽しみを削ってしまうんじゃないかと危惧しています。

単行本だと1,500円くらいで多くの知識を手に入れることができます。

小説でもたったの一行でも心に響く言葉があればそれで十分だと思っています。

しかしそれはあくまでも読んだ結果であって、最初からそれを全て期待してしまうと、本を読む楽しみそのものを失ってしまうような気がしています。

本を読んで心が落ち着いたり、安らぎがもらえたり、そういうところがまずあって結果として成果や知識につながるものが得られるという順番が大事だと思います。

 

元来、本は好きに読んでいいのですが、あまり意識を高くもちすぎなくてもいいんじゃないかと思ってこんなことを書いてみました。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

それでは、また明日もお待ちしております。

(eye catching photo by chiho)

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