本の本質について考えました。
今回紹介する本は、又吉直樹さんとヨシタケシンスケさんの共著である『その本は』(ポプラ社)です。
『その本は』というその本は、老衰して目が見えなくなった王様に『めずらしい本』を聞き回った男二人が毎晩語っていくスタイルで記述されます。
毎晩語り手が交代していきます。
書き出しが「その本は、」という形で統一されており、こんな本がありましたという報告であり、その制限のなかで又吉直樹さんとヨシタケシンスケさんの独創性を感じました。
本の本質というのは文章が紙に印刷されて束になったものではなく、誰かが頭の中で考えたおもしろいものや役に立つものから始まっているのだと感じました。
表現手法として文章や絵があるに過ぎないのだと思います。
この本のオチを読んだ方なら納得してもらえるんじゃないかと思っています。