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芸人とは生き方そのものだと感じました。
今回紹介する本は、又吉直樹さんの『火花』(文春文庫)です。
ヨシタケシンスケさんとの共著である新刊『その本は』(ポプラ社)を読み、YouTubeチャンネル『渦』にたどり着き、又吉さんの思想に触れるなかで改めて読みたいと思って手に取りました。
第153回芥川賞受賞作であり、芸人初の快挙として話題にもなった一冊です。
話の内容としてはお笑い芸人の徳永が主人公です。
熱海での花火大会のライブで出会った先輩芸人の神谷をその場で師とし、崇拝するようになります。
神谷は「食事の場では先輩が必ず払う」という芸人の決まりごとを借金しながらも守り、またそのような決まりごとの中で二人は関係性を深め、徳永は神谷の才能や生き方に心酔していきます。
どの世界にも一流と呼ばれる日の当たる人がいます。
その一方で花を咲かせることができずに散ってしまう人もいます。
徳永の売れないことや後輩に抜かれていくことに迷いを感じていく様子がありありと描かれていました。
徳永が神谷に憧れたのは単なる芸をする人イコール芸人ではなく、生き方そのものが魅力的であったからであり、ストイックに芸を追求していくその姿はお笑い芸人だけでなくあらゆる仕事に真剣に向かっていく人の心に響くと思います。
最初のシーンで神谷のコンビがやっていた漫才と、最後のシーンで徳永のコンビがやっていた漫才が重なるときにじーんとするものがありました。
生きている限り、バッドエンドはない。僕達はまだ途中だ。
又吉直樹『火花』(文春文庫)(p171)
力強い言葉です。