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今回紹介する本は、大竹英洋さんの『そして、ぼくは旅に出た。』(文春文庫)です。

 

旅に出かけるたのしみのひとつが本屋さんにいくことです。

初めての本屋さんにいくと、そこでしか出合えなかったのではないかという本を見つけることが多々あります。

2023年11月、神戸に行ったときに御書印がある本屋さんに行きました。

そのなかのひとつである、流泉書房でこちらの本を購入しました。

ちなみに大竹さんを「私たちの町の作家」として紹介されていました。

第7回 梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞作品です。

 

大竹さんはアメリカとカナダの国境近くの湖地帯であるノースウッズの野生生物や自然を撮影しています。

そのようになるに至った経緯について書かれています。

 

写真家になろうと思った、きっかけは夢に出てきたオオカミでした。

そのオオカミのことが頭から離れずに図書館に足を運び資料をあさりました。

そこでジム・ブランメンバーグ氏の写真集が目に留まります。

居ても立っても居られなく、弟子入り志願の手紙を書きます。

なかなか返事は来なかったのですが、そこで諦めませんでした。

わずかな手がかりをもとに直接会いにいくことにします。

 

会いにいくまでがひとつの冒険となっていますし、会ってからの出来事もまた大切な経験となっていることが伝わってきました。

 

大竹さんは弟子入りの志願を手紙にしたためました。

後でわかることですが、実際には本人のもとに届きませんでした。

今ですとメールを送るという判断をして、断られてあきらめるということにもなっていたかもしれません。

手紙が届かなくても思いは伝えたいというところから会いにいこうとなったのだと思います。

 

また、大竹さんは車という手段を選ぶことなく、カヌーを漕いでいくことで写真を撮りながら目的地へと進んでいくという手段をとりました。

これは結果としてインパクトを与えることにもなりました。

わたしはわかっていて遠回りをする必要はないと思っています。

ただ、常に最短距離を進んでいくことが必ずしもよい結果をもたらすとは限らないとも思っています。

弟子入り志願をしたジム氏はこう言います。

「寄り道は、幸運をつかむためには、とても大切なことなんだ……」

大竹英洋『そして、ぼくは旅に出た。』(文春文庫)(p232)

 

夢に向かう原動力はそれに憧れたきっかけであり、それを忘れることなく具体的な行動をひとつずつ重ねていけば近づくことができるのかなと思いました。

年を重ねると忘れてしまうような大切な考え方を思い出させてくれるような一冊でした。

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