こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の運営をしています。
また、ブログ、SNSやポッドキャスト等の発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。
今回紹介する本は、吉本ばなな『おとなになるってどんなこと?』(ちくまプリマー新書)です。
いわた書店の一万円選書のご縁で手に取りました。
よしもとばななさんのエッセイ『すばらしい日々』(幻冬舎文庫)がお気に入りです。
表題の『おとなになるってどんなこと?』を含む8つの問いに答えています。
「大人になんかならなくたっていい、ただ自分になってください」
吉本ばなな『おとなになるってどんなこと?』(ちくまプリマー新書)(p8)
というのが根っこにあるメッセージです。
わたしは30歳を超えていますが、まだまだ大人になりきれていないなと感じます。
親が今のわたしと同じ歳の頃には子ども(わたし)がいたということはなかなか考えられないことです。
大人になりきれていないなと感じる部分はありますが、成長していないとは思いません。
安定して一人暮らしができていることが成長を感じる要因として大きいかもしれません。
自分の稼ぎに合わせた生活ができるというのは当たり前のようで大切なことのように思います。
実家にいた頃もお金は入れていましたが、それでも自分で家計の管理を全てするというのはやってみないとわからない感覚だと思います。
わかっていて遠回りをする必要はありません。
ばななさんのように「作家になる」という確固とした目標があるならばそれに邁進していくべきです。
目標に向かって必要なことをしていくだけです。
そこに向かうのに余計だと思っていることをする必要はありません。
それでも何が自分のためになるかはわからないものです。
旅をしたり、さまざまな経験をしていたことが作家活動の役に立ったと書かれていました。
それらをしていなかったら書くものが痩せ細っていっていただろうということです。
わたしは学生時代に内職や居眠りができませんでした。
優等生ぶっているわけではありません。
良い成績を収められるわけでもなく、損切りするわけでもないというどっちつかずでした。
大学に合格するという観点からは非効率だったかもしれません。
それでも色々なことに興味をもってやってみるという姿勢を大切にするというのは今でも続いているのでその基礎作りだと思えば良かったのかなと思います。
何が正解かはわからない世の中です。
死ぬときまで答え合わせはできないのかもしれない。
そうであるならば今日という一日を大切に過ごしていくことが唯一のできることだと思いました。
ばななさんの力強くもやさしい言葉に癒され勇気をもらったような気がします。