今回ご紹介する本は、松浦弥太郎さんの『なくなったら困る110のしあわせ』(三笠書房知的生きかた文庫)です。
今の時代になくなったら困るものについて110個述べられています。
文庫化に際して10個追加されているとのことでしたので購入して読みました。
テクノロジーは日進月歩で進化をしています。
それは一見すると良いことのように思いますが、それによって失われてしまったものがあります。
振り返ってみると私の学生時代のわからないことを調べるための場所は図書館でした。
夏休みの自由研究のために隣町の図書館まで行き、本を吟味して選び、借りて自由研究をしました。
今調べ物をしようとしてわざわざ図書館に出向くということはなくなってしまいました。
ググるという言葉があるように検索エンジンを頼ることが多いです。
最近では検索よりもChatGPTに聞いて対話を重ねたほうが早く済むなんてこともたくさんあります。
それがわるいことだとは思いますが、本当によいことなのかどうかは考える必要がありそうです。
私は学生時代に本で調べるという習慣があったので、本を読む体力はそこで身についたと思っています。
なんでもすぐに結果が得られる時代だからこそ、論理を積み上げて結論に至る過程を知ることも大切ではないでしょうか。
もちろん手段と目的を混同してはもったいないこともあります。
洗濯の目的は衣服をきれいにすることです。
その目的をかなえるために洗濯機を使うという手段を取ります。
衣服に対して大切に扱いたいからと全てを洗濯板を使って手洗いする必要はありません。
そういう時代もあったということです。
これからも技術革新は続いていくと思いますが、失ってはいけない本質を見誤らないようにしていきたいです。
110個挙げられているなかで、一番のお気に入りは「困っている人を見たら助けること。」(279頁)でした。
札幌は海外からの観光客も増え、駅の案内掲示板を眺めている人も多いです。
私に語学力があれば力になれるのになぁと思うこともあります。
でも先に述べたように技術の進歩により、多くのことはスマホで調べることにより解決してしまうのかもしれません。
しかしそれはせっかく違う言葉の国にいらっしゃったという経験としてはもったいないものようにも感じます。
海外の人と喋れなくても翻訳機能を使えばある程度のコミュニケーションをとることができます。
それでもやはりタイムラグがなしでわかったと感じてもらえる瞬間は大切なのではないかと思います。
話がそれましたが、困っている人を助けるというのは仕事の本質でもあると説きます。
困っている人を助けるというのは役に立つことであり、感動を与えることでもあります。
困っている人を助けるのがむずかしい、そもそも見当たらない場合には感動をどうしたら与えられるかを考えることが大切だと思います。
感動の大きさは様々です。
プロスポーツ選手の与える感動もありますし、小さなありがとうをもらえる感動もあります。
もちろんその量や大きさによって得られるものの大きさが異なります。
それが大きいから多額だから理想という訳ではないはずです。
自分の身の丈にあったやり方を見つけていけばいいのではないかと思います。
「友だちに大好きな本を貸してあげること。」(214頁)も印象的でした。
貸した本が返ってこないことは多々あります。
私も借りた本が、貸した人と音信不通になって返すことができなくなってしまっているものがあります。
おそらくそこに悪意はなく、きっと本棚かそこらにおいてあり、それを見返すたびにその人のことを思い出すのではないかと思います。
そういう意味でも本を貸すという体験もなくならないでほしいなと思います。















