大切なひとのことを名前で呼ぶ

今回ご紹介する本は、松浦弥太郎『自分で考えて生きよう』(中公文庫)です。

毎度ながら松浦弥太郎さんの本を読むと背筋がピンと伸びる感覚がします。

暮らしに対してよりよく生きるためのヒントとなるエッセイが収められています。

テーマごとに全部で7章で構成されています。

 

弥太郎さんのいいなと思うことは起こった出来事や誰かから聞いた話を吸収して、自分の言葉として発してらっしゃるところだと感じました。

弥太郎さんの言葉として語られているので私が思い出すときには弥太郎さんの言葉として思い出すことになるだろうと感じました。

 

特に印象に残ったエピソードは182頁の『最後に母の名呼んだ父』です。

典型的な亭主関白であったという弥太郎さんのお父様はお母様のことを「おい」と呼んでいたそうです。

孫が生まれてからは「ばば」と呼ぶようになったそうです。

寝たきりになってから癇癪を起こし、「ばば、ばば」と怒鳴り、困らせることがあったそうです。

そのようなお父様が亡くなる1週間ほど前からお母様のことを名前で呼ぶようになったことを後から知らされました。

もちろんそれにどのような意図があったかはわかりませんが、とても素敵なエピソードだなと思いました。

 

子の立場から親のことを名前で呼ぶということは少ないと思います。

そうなると歳を重ねていくと自分のことを名前で呼んでくれる人はとても限られた存在になってしまいます。

自分の名前というものは自分にとって一番心地のいいリズムをもった言葉だと思います。

もちろん相手との関係性もありますが、相手のことを名前で呼ぶということを大切にしていきたいと感じるエピソードでした。

 

一つのエピソードが見開き2ページ程度で構成されています。

毎日ちょこっとずつ読んでいくのもおすすめかなと思います。

ぜひ手に取ってみてください。

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『Brown Book vol.11』

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