生きづらさと向き合う

「生きづらい」と感じたことはありますか? 死にたいと一度でも思ったことがある人は、少なくないでしょう。そんなとき、誰かに話を聞いてもらえるだけで、どれほど心強いことでしょうか。今回ご紹介する『その日暮らし』(palmbooks)の著者、坂口恭平さんは、「いのっちの電話」と称して、無償で電話番号を公開し、悩みを聞くサービスを行っています。

この本は、西日本新聞に掲載されたエッセイをまとめたものです。坂口恭平さんは、私と同じく双極性障害を患っています。ちなみに、坂口さんは「躁鬱病」という以前の表現を使っており、そのほうが症状のイメージがつきやすいかもしれません。同じ病名でも、症状は人それぞれ異なります。坂口さんの文章には、調子の良いときに書かれた軽やかなものもあれば、後半には沈んだ気持ちが伝わるものもありました。

坂口さんにとって家族は、とても大切な存在だと感じました。それは、親と子という従来の関係を超えた、人と人との深い関わりのように思えます。どんな状況でも「大丈夫だ」と感じられることが、鬱からの回復に向かうための大切な道しるべだと感じました。

私は現在も服薬を続けています。仕事には欠勤することなく通えているため、好不調の波は少ないのかなと思っています。それでも、いつ躁状態が訪れて周りに迷惑をかけるか分からないという漠然とした不安や、過去の出来事がフラッシュバックして心がざわつくこともあります。しかし、悩んでも仕方がないことですし、大切なのは「これから」だと思います。だからこそ、今日という日をていねいに過ごしていこうと、改めて決意しました。

最後に、特に印象に残った一節を紹介します。

怒られるからってやりたいことをやめちゃうと、やりたいことが何かわからなくなるよ。自分がやりたいことは死守すること。やるだけやって後で怒られたらいい。

坂口恭平『その日暮らし』(palmbooks)(p79)

坂口さんが息子のゲン君に伝えた言葉です。この言葉に対して、どのように感じるかは人それぞれでしょう。しかし、もしやりたいことを否定してしまったら、その芽を摘んでしまうかもしれません。だからこそ、「やりたい」という気持ちは大切に育てていくべきだと感じました。

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