考えるその過程を楽しむ

今回ご紹介する本は、モンテーニュ(原二郎 訳)『エセー(一)』(岩波書店)です。

『エセー』はエッセイの語源とされており、フランス語で「試み」の意味を持ちます。

おすすめエッセイとして紹介されました。

岩波文庫の読む人を選ぶ感も相まってか長らく積読となっていました。

先日の積読読書会をきっかけに読むことにしました。

 

読み手を意識しているかどうかで文章の読みやすさは変わってきます。

当然ながら私も日記で書く文章とこうしてブログに書く文章は異なります。

この本は誰かのために書いたわけではないという断りがあります。

死後、身近な人に本人の息遣いを感じ取ってもらいたいという思いが強かったのだと思います。

 

1500年頃のことが中心に書かれています。

それが訳され今この時代に読むことができるのはとてつもなくすごいことであり、恵まれていると思います。

もちろん時代背景を知っていたほうが理解が深まるのは感じました。

引用も多くされています。

ただ引用をしているからといってその意見を肯定しているわけではありません。

また私的な文章という面が大きかったため、明確な結論が常にあるわけではありません。

逆にそれが自分だったらどう考えるかの練習になってように思います。

 

コロナ禍を経て、タイパやコスパという言葉を耳にすることが多くなりました。

ただでさえ本は読むのに時間がかかります。

哲学的な内容になってくるとより時間はかかりますし、結論めいたものが得られないとモヤモヤするかもしれません。

でもそこに哲学的に考える面白さがあるのだと感じました。

命題に対して結論だけを知っても意味は薄いです。

時として結論にたどり着かなかったとしてもそこに至るまでの過程そのものを楽しめるかが大切なのだと思います。

 

モンテーニュは多くの『エセー』を書き残しました。

全部で六巻あります。

思考を書き残しておけば、死後もその人の思想に触れることができます。

その人の思考を分析することによって新たなものを生み出すヒントが得られるかもしれません。

そういう意味でも思ったことはなるべく書き残すようにしていきたいと改めて思いました。

そしてそれが誰か一人のためにもなればいいんじゃないかと思います。

読書会情報

読書会の情報は お知らせ をご覧ください。

募集の案内はLINEでも行っています。

月初に読書会情報を配信しています。

申し込みはLINEからお待ちしています。



LINEの友だち検索「@pgc8174h」でも出てきます。

LINE オープンチャットへのご参加はこちらからどうぞ!

ポッドキャストでも本の紹介をしています

書いている人


第160回 読書会「本の話をしよう」開催報告

撮影する対象に敬意を持つ

関連記事

  1. 心の在り方を考えてみる

    今回紹介する本は、名取芳彦さんの『気にしない練習』(三笠書房 知的生きかた文…

  2. 仕事とは、アウトプットで感動を与えること

    今回ご紹介するのは、松浦弥太郎『考え方の工夫』(朝日新聞出版)です。松浦…

  3. 生きのびるためには〈事務〉が必要だ

    今回ご紹介する本は、坂口恭平さんの『生きのびるための事務 全講義』(マガジン…

  4. 動機はなんだっていい

    こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。「…

  5. 自分の中の正義と悪を認める

    今回紹介する本は、やなせたかしさんの『ボクと、正義と、アンパンマン』(PHP…

  6. 幡野広志『ぼくたちが選べなかったことを、選びなお…

    今回ご紹介するのは、幡野広志さんの『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおす…

  7. 桑田真澄『試練が人を磨く』。挫折を力に変える。

    https://twitter.com/shogogo0301/status…

  8. 河合隼雄+大牟田雄三『ウソツキクラブ短信』から学…

    こんにちは、井田祥吾(@shogogo0301)です。本の魅力や癒しの効…

PAGE TOP