何かを失うことは、実は他のものを手に入れる前提なのだ

今回ご紹介するのは、河合隼雄『明恵 夢を生きる』(講談社)です。

先日、北海道立近代美術館に行きました。

国宝鳥獣戯画 京都 高山寺展

鳥獣戯画展を見た際に、これが明恵上人が再興した高山寺に伝わるものであることを知りました。

以前、読書会でこちらの紹介されていたことも思い出し、この機会に手に取りました。

 

明恵上人は『夢記』という夢の記録を19歳から生涯にわたって残しており、その長さが非常に貴重だとされています。

その『夢記』を臨床心理学者である河合隼雄氏が分析していますが、夢の意味は単純に解釈できるものではなく、時代背景や性格などを考慮して理解することが大切だと感じました。

夢を一つ一つ独立して解釈するのは、大きな意味を持たないのかもしれません。

 

明恵上人が夢を書き続けることで得たことはなんだったのでしょうか?

河合氏の考察を引用します。

何かを得るためには何かを失わなければならない。

何かを失うことは、実は他のものを手に入れる前提なのだ、というのは夢に生じてくる大切なテーマのひとつであるが、明恵もそのことを思ったに違いない。

河合隼雄『明恵 夢を生きる』(講談社+α文庫)(p242)

続ける意味がわかっていたからこそ続けていたのかもしれませんね。

 

この本を読んで、私も夢の記録をつけてみたいと思いました。

以前、夢日記を勧められたこともありますが、今回は夏目漱石の『夢中夜』のような物語には及ばなくても、楽しみながら挑戦してみたいと思います。

夢日記をつけることの向き不向きは聞いたことがあるので慎重に試していきます。

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安部公房『箱男』(新潮文庫)

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