コミュニティとストーリーから考える活動の姿

今回ご紹介する本は、朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』(日本経済新聞出版)です。

朝井リョウさんの作品は比較的好んで読んでいます。

今作のテーマのひとつとしてファンダム経済というものがあります。

これまではファンとしてしか言われていなかった存在が、SNSで誰もが発信をできるようになり「推し活」と呼ばれるようになりました。

その熱狂的に関わる人たちは経済圏を生み出しファンダム経済と呼ばれています。

私個人としては基本的に受け身で満足をしています。

好きな作家さんや本に関する発信はしています。

それでも「布教」と呼べるほどの熱量があるかは定かではありません。

 

ファンダム経済を仕掛ける人とのめり込む人・のめり込んでいた人の三人の登場人物を軸に話が進んでいきます。

タイトルにあるメガチャーチとは「一度の礼拝で二千人以上が集まる規模の教会」(326頁)のことを指します。

表向きの理由はあるにしろ目的は信者からお金を集めることです。

推し活にのめり込むということは運営側の意図に乗せられるようにお金を使わせているという側面があるということです。

少なくともその意図を考えたうえでお金を使っていくべきなのかなと思いました。

気づかずの場合にそうなってしまう場合もあると思います。

そういうときは視野が狭くなっているとも言えます。

一昔前はいかにして視野を広くしていくかの重要性が説かれていました。

今の先行きが不透明な時代ではあらゆることを知れば知るほど分からなくなり不安になってしまいます。

そうなると自分が信じることができるものにのめり込んでいったほうが生きやすいのかもしれません。

ただ、その裏側には利用されるだけのこともあるでしょうし、悪徳なものに巻き込まれてしまう可能性があることを忘れてはいけないでしょう。

 

これからの時代においてコミュニティの存在は大切になってくると思います。

私自身、札幌ゼロ読書会を運営していくなかでつながりを大切にしています。

そこには私がどういう人間でどうしてやっているのかというストーリーも少なからず関わっているのかなと思います。

会の運営や活動に関してお金は絡んできます。

私が全部持ち出しでやることが正解と思いたくもありませんし、参加いただく方から搾取するのも違うと思います。

今の経済下で生きていくうえでお金というものから避けることはできませんが、何のためにという大義名分は見失わないように続けていきたいです。

 

朝井リョウさんの作品は物語を通して問題を突きつけられる力を感じます。

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