今回ご紹介する本は、関大徹『食えなんだら食うな』(ごま書房新社)です。
ふたり読書会の問い合わせがあり、開催をしました。
私のやっているふたり読書会に決まった形式はありませんので、要望を聴きながらオーダーメイドで進めていきます。
今回は事前に本を読んできてそれについて話をしていくという形式を取ることにしました。
積読になっているというものを3冊挙げてもらい、その中から選ばせてもらいました。
タイトルも著者の方も存じ上げておりませんでしたが、禅を通した生き方に興味がありました。
お相手さんは帯も書かれている執行草舟(しぎょうそうしゅう)さんのYouTubeをご覧になって知ったとのことでした。
私は「読書のすすめ」の店主清水さんが登壇されるイベントにも参加したことがあり、その清水さんがお勧めする本ならと期待をもって読み進めることができました。
タイトルの『食えなんだら食うな』というのは、「食えなければ食わなければいい」という意味になります。
禅の住職として修行を積むなかでたどり着いた境地という感覚があります。
他の章もたとえば「病なんて死ねば治る」といった論調が強く感じるものが多いです。
それだけ覚悟をもって生きることが大切なのではないかと思いました。
ここ最近になってビジネスに禅の考え方が多く取り入れられるようになりました。
瞑想がマインドフルネスとして海外でも受け入れらています。
ただ、何かに活かすという視点が強くなり過ぎているということも感じています。
本来の禅の修行というものはそういった目的があってではなく、無目的であり、どう生きていくかを追求していくものであると思いました。
未来のことを憂えても、過去のことを悔やんでも、あるのは生きている今しかありません。
今をどう生きていくかというのは永遠のテーマだと思っています。
私が本を読むのも、仕事をするのも、人と付き合うのも、何をやったとしても結果的に迎えるのは死でしかありません。
いずれ終着点は死であると決まっているのに生きる意味はどこにあるのか?
それを探していきことこそが生きることなのかなと思いました。
引用をします。
未来を思うなら、今日をより善き人間として生きよ。
関大徹『食えなんだら食うな』(ごま書房新社)(p192)
できるのは今の生き方の態度だけです。
そのことを胸にこれからも人生修行の毎日を過ごしていきたいです。