今回ご紹介するのは、平光源さんの『半うつ』(サンマーク出版)です。
副題として「憂鬱以上、うつ未満」とあります。
よく行くMARUZEN & ジュンク堂書店 札幌店で見つけて購入しました。
私は双極性障害を患っています。
寛解状態ではあるものの現在も服薬治療を続けています。
その服薬はどちらかといえば躁状態になるのを防ぐ意味合いが大きいです。
基本的には気分を持ち上げる薬というものはないという説明を受けたことがあります。
私としても避けたいのは入院が必要になることです。
これは躁状態であってもうつ状態でもです。
軽い躁状態というのは上手にコントロールできれば、気分もいいですし作業もさくさく進むので気持ちがいいものです。
反対にうつに近い状態というのは気力が湧いてこないですし、回復するのを待つだけという感じがしてとても辛いものがあります。
いつかは雨が止むという希望だけでは今のジトジトと降る雨が耐えられない感覚になります。
プロローグに、うつ病として診断された人が最初に行った科が内科の人の割合が64.8%であったとの記述がありました。
カラダの不調だと思っていたものが、そこからくるものではなく、ひどくなっていった結果うつ病と診断されるということです。
もっと早い段階で対処することができていれば、ここまで大きなことにならなかったということが多々あるとのことです。
この憂鬱以上、鬱未満の状態を「半うつ」として定義しています。
もちろん病名がつくことによる不利益があるのも否めませんが、病名や状態に名前がつくことによって対処の方法がわかるというメリットがあります。
重要な神経物質が以下の3つです。
- セロトニン(心のブレーキ)
- ノルアドレナリン(心のアクセル)
- ドーパミン(心のエンジン)
平光源『半うつ』(サンマーク出版)(31頁)
これら3つが正常に働いている状態が健康な心です。
うつ病は3つとも働いていない状態であり、ひとつもしくはふたつが働いていない状態が半うつです。
回復のためには土台から順番にやっていく必要があります。
しかしそれはむずかしいことではありません。
むしろ健康と言える状態のときにも取り入れておきたいものばかりです。
健康の三本柱というものを入社当時教わりました。
それは休養・栄養・運動です。
どうしてもスポーツクラブという現場で働いていると運動ばかりに目が行きがちです。
でも健康状態を整えていくうえで大切なのは休養も栄養もあります。
しかも睡眠と食事によって生活が整えられていくところが大きいです。
それはメンタル面に対しても言えることだと改めて感じました。
インターネット技術をはじめ、スマートフォンは私たちの生活を便利にしました。
今となってはそれがなしの生活は考えられないでしょう。
しかしこの常時接続の感覚が決して良い状態とはいえないと思います。
いつ返信が来るかそわそわしながら待っているのは心の状態としても良くないでしょう。
全く使わないことが難しいとしてもどう使っていくかを考えていくことはできます。
心の状態が良いときにどういう使い方がベストか考えて行動していくのが良いと感じました。
私は心の病を持ちながら生活をしています。
なので不調な時も良い意味でそのせいにして割り切っているところはあります。
それでも不調なときというのは少ないに越したことはありません。
少しでも回復が早まるように本書に書かれていることを実践していきたいです。















