『躁うつでもなんとか生きてます。』を読んで——俳句とともに、病と歩む日々

今回ご紹介するのは、高松霞さん原案、桜田洋さん作画の『躁うつでもなんとか生きてます。〜俳句と私が転がりながら歩むまで〜』(KADOKAWA)です。

この本は、東京・赤坂にある書店「双子のライオン堂」のネットショップで知り、購入しました。

 

著者の高松霞さんは、連句人として活動されています。

連句とは、複数の人が順番に句を詠み合う、日本の伝統的な詩の形式で、特に中世から近世にかけて発展したといわれています。

 

また、高松さんは躁うつ病(双極性障害)を抱えており、本書はその体験を、連句をはじめとする文学の視点から見つめ直そうという試みでもあります。

私自身も双極性障害を抱えていることから、本書を通じて何か得られるものがあればと思い、手に取りました。

 

本書はコミックエッセイ形式で描かれており、非常に読みやすかったです。

俳句について詳しいわけではありませんが、作中に登場する俳句の言葉が、作品全体を引き締めるような役割を果たしていると感じました。

 

読んでいて印象的だったのは、「双極性障害だから特別にやるべきこと」というのは、案外少ないのではないかということです。

健常な人にとって良いとされていることは、障害のある人にも有効ですし、逆もまた然り。障害を持つ人が意識して取り組んでいることは、健常な人にもきっとプラスに働くのではないかと思います。

 

特に重要だと感じたのは「睡眠」です。

長ければよいというものではなく、自分にとって適切な睡眠時間を知ることが大切です。

季節によって変化することもありますが、自分にとってちょうどよい睡眠リズムを把握することが第一歩だと実感しました。

 

また、精神疾患の治療に用いられるアプローチのひとつに「認知行動療法」があります。

これは、「物事の受け取り方」や「それに対する行動」を見直すことで、気持ちを楽にしていく方法です。

 

高松さんは、この認知行動療法に対してしっくりこない感覚を持っていました。

しかし、ライターとして日々文章を書いていたことから、結果的にはそれを高いレベルで実践していたのだと、周囲から指摘を受けたそうです。

 

私自身も、さまざまな書籍をかいつまんで学ぶ中で、気分に点数をつけることや、日記やブログで文章を書くことを習慣にしています。

これらが自分のメンタルを良い方向に保ってくれていると実感しており、これからも続けていきたいと思っています。

 

なお、双極性障害とうつ病は、ともに「うつ状態」があるため混同されがちですが、治療方針の異なる別の病気です。

診断が途中で変わることもよくあり、実際、私も初診から数年が経ち、入院したタイミングで診断が変わりました。

 

この病気は「完治」ではなく「寛解」という言葉が使われ、一生を通じて付き合っていくものになります。

本書を通じて、改めて自分自身の病気への理解を深め、向き合い続けていきたいと感じました。

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