今回ご紹介する本は、安友志乃『撮る人へ』(窓社)です。
尊敬する人の紹介する本は読みたくなるものです。
私は写真を撮るのが好きです。
その写真に対するスタンスの多くを写真家の幡野広志さんから受けています。
その幡野広志さんがお勧めされていたのが、こちらの本です。
副題として「写真家であるためのセルフ・マネージメント」とあります。
新刊本として現在流通しておらず、古本市場でも高騰しています。
「このくらいの値段であれば」というところで購入をしました。
読むことができてよかったです。
そもそも写真を撮るというのはどういうことなのかという心構えのところから始まります。
写真家として活動していくうえでギャラリーの使い方やポートフォリオを用意しておく重要性などについて書かれていました。
私は写真家になるためにこの本を手にとったわけではありません。
ただ、写真に対するスタンスというのはプロでもアマでも共通するところなのではないかなと思いました。
ひとつは、「カメラがあるからそのことをしてもいい」とカメラを持っていることを理由に逃げないということです。
例えば、撮りたい写真があったとしてその対象をいきなりカメラを構えて迷惑がられることがあるかもしれません。
それはカメラがなかったらそもそもしないことですし、できないことです。
話しかけるとしても、いきなり相手に質問をぶつけることはせずに、挨拶からするはずです。
カメラがあるからこそできる、してしまうコミュニケーションというのは一度疑ってみてもよいのかもしれません。
また、カメラは押せば写真が撮れるからこそ、カメラや写真がなくてもどれだけ語ることができるかが大切なのだと思います。
写真だけでなく、言葉でも伝える努力は忘れずにいたいです。
そして何より自分の心が動いた瞬間を見逃さないことが大切だと感じました。
その瞬間は感動とも言い換えることができます。
そして感動のハードルをとことん下げていくことが日常を楽しむことにもつながっていくのかなと思います。
幡野広志さんのおすすめということで、幡野さんの著者に書かれている内容や発言されていることとリンクされているところが多かったです。
古本で高騰していますので、興味のある方はまず、幡野広志さんの『うまくてダメな写真とヘタだけどたたいい写真』(ポプラ社)をおすすめします。